※2023年11月28日配信メルマガVol.256より抜粋(一部加筆修正あり)
「カレーメシ」は元々「カップカレーライス」だった
カレーとご飯があらかじめ混ざっているのが特徴の商品、
日清の「カレーメシ」。
商品自体は2013年に発売されましたが、
実は2014年までは「カップカレーライス」という名前だったのをご存知でしょうか?
https://www.currymeshi.com/
同じ日清のロングセラー商品である
「カップヌードル」のカレーライス版ということですね。
しかし、「カレーライス」というのは、
カレーとご飯が別になっているものだから、
「カレーライス」とは言えないのでは?と、
お客さんから相次いで指摘されたそうです。
名称変更し、”第3のカレー”の独自ポジションを確立
そして考えてみれば、
「カップヌードル」も「ラーメン」とは別ものと認識されているから、
同じように「カレーライス」の固定化されたイメージから離れて
独自のポジションを築くことになりました。
そこで、カレーでもない、ご飯でもない、
“第3のカレー”という商品の特徴を伝わるように意図して、
クリエイティブディレクター佐藤可士和氏プロデュースのもと、
「カレーメシ」という名前に変わりました。
調理法を変えて売上2倍
また、調理法も、当初はカップに水を入れて電子レンジで温める方式でしたが、
2016年にカップ麺と同じお湯を注ぐ方式にリニューアルしました。
コンビニやスーパー等によっては、お湯の入ったポットは用意しているけど、
電子レンジはないといったところもあるので、
すぐに調理して食べたい人にとっては、電子レンジのある場所に赴く必要があり、
不便だったのでしょう。
「電子レンジがないけど、すぐ食べたい人」のニーズを満たすようにした結果、
「カレーメシ」の年間売上は2倍になりました。
商標登録に苦労した「カレーメシ」
そしてこの「カレーメシ」の商標、
最初は日清のロゴマーク付きで登録していたのですが、
リニューアル後に文字だけの出願に挑みました。
ところが審査官は、
「『カレ-』の文字は、『カレー粉を用いてつくった料理。特にカレーライスのソース。』」
「『メシ』の文字は、『めし。ごはん。』の意味を有する『飯』を想起させる語」
を意味することから、
「『カレーを加味したごはん』ほどの意味合いを想起させる」として、
拒絶の判断を下したのです。
これは、商品やサービスの内容・コンセプトを表した説明的な商標によくある拒絶理由で、
反論で覆すにはなかなか難易度が高いのです。
しかし、日清は諦めずに反論し、
「『メシ』の語は、“ライス”の意味と共に“食事”の意味も有する語である」
「『メシ』という語は、様々な種類の言葉と結びついて新たな造語を創り出す性質を有しており、その意味は結びつく言葉によって全く異なる」
「初めて『〇〇メシ』という造語に触れた需要者は、その意味を具体的に捉えることができない」
といった主張をした結果、
なんとか判断を覆して登録に導きました。
このように、商品の大ヒットのためには
キャッチーで内容を理解しやすいネーミングをすることも大切ですが、
その反面、商標権の取得で苦労しがちであるということも
念頭に置いていただければと思います。
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