Amazonで自社ブランドを守るには?ブランド登録の流れと専門家が教えるポイント

Amazonで自社ブランドを守るには?ブランド登録の流れと専門家が教えるポイント

「Amazonで売るだけ」では、ブランドは守れません。

「最近、自社の商品にそっくりなものが出品されている…」
「勝手にブランド名を使われて、商品ページに相乗りされてしまった」
こんなトラブルに遭遇していませんか?

実は、Amazonで自社商品を出品するだけでは、ブランド保護は不十分です。

そこで活用したいのが「Amazonブランド登録」。
これは、登録された商標をもとに、Amazonが提供する公式のブランド保護プログラムです。

この記事では、Amazonブランド登録の概要・登録要件・具体的な手順・商標登録の重要性について、商標専門弁理士の立場からわかりやすく解説します。


Amazonブランド登録とは?

✅ Amazon公式の「ブランド保護プログラム」

Amazonブランド登録(Amazon Brand Registry)とは、正当なブランドオーナーであることを証明することで、模倣品・無断販売・相乗り出品などの被害から自社ブランドを守ることができる制度です。

▶ Amazon公式:
Amazonブランド登録|Brand Registry


✅ ブランド登録でできること(一部)

  • ブランド名・ロゴを正規の形で商品ページに表示できる
  • 無断出品・模倣品を報告して削除依頼が可能
  • 出品者の管理画面でブランド全体を一括管理
  • 広告機能(ブランドストア・スポンサーブランド広告など)が利用可能に

▶ 参考記事:

商標登録したら「Amazonブランド登録」するのがおすすめ
※2021年6月22日配信メルマガVol.129より抜粋(一部加筆修正あり) 「Amazonブランド登録」のメリット Amazonで物販を行う場合には、その商品…
samuraitz.com

📌 中小企業・個人事業主でも使える仕組みでありながら、商標出願又は登録が前提条件となっている点が最大のポイントです。


ブランド登録のために必要な準備と条件

✅ 必須条件:出願又は登録済みの商標があること

ブランド登録には、以下の条件が必要です:

  • 商標出願又は登録済みであること(日本国特許庁で出願又は登録された商標)
  • 文字商標(ワードマーク)か図形商標(ロゴマーク)(出願・登録商標とブランド登録の申請商標が一致していることが必要)
  • 商標の登録名義がブランド登録の申請者と一致していること

※ 登録の条件は随時更新される可能性があります。


✅ 対象となる商標タイプ・情報

  • 商標種類:文字(テキスト)商標又は図形(画像)商標
  • 登録国:日本(JPO)での出願又は登録番号
  • ブランド名:商標に一致する名称で出品していること

▶ 詳細ガイド:
Amazonブランド登録の要件と手順(Amazonセラーセントラル)


Amazonブランド登録の流れ(ステップ形式)

✅ ステップ1:商標登録の確認 or 出願からスタート

  • まだ商標出願していない場合は、最低でも出願まで進める必要があります。
  • 出願段階では、まだ登録が確定していないため、審査で拒絶される可能性があります。拒絶になるとブランド登録できないため、できれば登録完了まで進めることが理想です。
  • 登録まで通常6~10か月程度。
  • 早期に登録したい場合は「早期審査制度」も活用可能です(条件あり)。

▶ 参考:特許庁|商標の早期審査制度
▶ 参考記事:

商標の早期審査とは?通常審査との違いと申請のポイントを弁理士が解説
商標登録を急ぎたい!そんなときの解決策とは? 「商標を出願したけれど、審査に1年以上かかるのは長すぎる…」「事業を早く展開したいのに、商標がまだ登録されない…」…
samuraitz.com

✅ ステップ2:Amazon Brand Registry に申請

  • 上記のAmazonブランド登録ページから、アカウント作成の上、申請手続きを開始
  • 必要情報:
     - 商標出願番号or登録番号(日本)
     - 商標の種類(文字商標など)
     - 出品しているブランド名やURLなど

✅ ステップ3:Amazonによる認証と承認

  • Amazonが商標出願・登録情報と出品状況を照合
  • メールアドレスに確認コード(OTP)が送信されるため、確認コードをAmazonに提出
  • 通常、1〜2週間ほどで登録の可否が通知されます

商標専門弁理士に依頼するメリット

✅ 1. Amazon登録に適した商標かを見極められる

  • ブランド登録したい商標と出願商標を適切に判断
  • 使用予定の商品・サービスに合った適正な区分選定、商品・役務指定も重要

✅ 2. 出願から登録までをスムーズに進められる

  • 早期審査の適用可能性や出願内容の補正対応など、実務面もフルサポート
  • Amazonブランド登録スケジュールを考慮した進行も可能

✅ 3. ブランド戦略まで含めた知財活用を支援

  • 商標登録後の「使い方」も含めて、ブランドの保護と成長を見据えた戦略設計が可能です
  • 他のECモール(楽天市場、Yahoo!ショッピング)や海外展開を見据えた出願支援も対応

まとめ:Amazonで“本物のブランド”として守るために今できること

  • Amazonブランド登録は、模倣品対策・信頼性強化に欠かせない制度
  • そのスタート地点は、「日本国内での商標出願又は登録済み」であること
  • 出願や登録内容に不安がある場合は、弁理士に相談することで、確実・効率的に登録を目指せます

📌 Amazonで商品を売ることと、ブランドを守ることは別物です。
今後のビジネスを安心して伸ばすために、「商標出願・登録」+「Amazonブランド登録」をぜひご検討ください。