「おむつのサブスク」があえてサービスを複雑化した意図とは?

「おむつのサブスク」があえてサービスを複雑化した意図とは?

※2023年6月6日配信メルマガVol.231より抜粋(一部加筆修正あり)

共働き子育て家庭に嬉しい「おむつのサブスク」

働きながら子供を保育施設に預ける家庭では、
毎日おむつに名前を書いて保育施設に持っていく
煩わしさを感じるのではないでしょうか?

仕事に行くための準備や子供の支度等で、
ただでさえ時間のない朝にバタバタしながら用意して、
おまけに荷物も嵩んでしまって大変ですよね。

手がふさがって、子供と手を繋いで登園できない…
なんて悩みもあるかもしれません。

そんな家庭の救世主となるようなサービスが
手ぶら登園」です。
https://tebura-touen.com/

「手ぶら登園」は、
保育施設に紙おむつとお尻拭きが直接届く、
サブスク型の月額定額制サービス

しかも、サイズや枚数に関係なく何枚でも使い放題
使用済みのおむつを持ち帰らなくてもいい等、
お子さんを預ける親御さんにとって、
とっても嬉しいサービスなんですね。

保育士にもメリットのあるサービス

このサービスは、実は保育士の先生にとっても
おむつを個別に管理しなくていい
枚数を気にしなくていい
というメリットがあります。

サービスの仕組みをもう少し深堀してみると、
契約して費用を負担するのは保護者ですが、
導入するのは保育施設になります。
したがって、「手ぶら登園を利用したい」と、
保育施設に導入リクエストすることになります。
その保育施設が導入を決定すると、
利用できるという仕組みなんですね。

サービスが複雑なのは「保育施設を巻き込む」ため

やや複雑なので、
「だったら、保育施設ではなく、保護者の家に直接届くようにしたらいいのでは?」
と思うかもしれません。

しかしこのビジネスは、
保育施設を巻き込むことに重要な意味があると考えられます。

保護者と個別に契約だと、
おむつの卒業とともに契約解除となり、
また新規客を獲得するためのコストがかかりますよね。

この点、保育施設側としては、
誰かが卒園しても、新しく入園してくる子供がいるので、
サービスを継続するメリットもあるし、
保育施設側から「手ぶら登園というサービスがありますよ」と
保護者に紹介してもらえるので、
サービス提供者の営業の手間が省け、新規客の獲得コストが下がるんですね。

私の憶測なので、実際の意図は分かりませんが、
もしそうだとしたらすごい狙いだなと思いました。

「商標登録」の面では心配な面も…

ただ、この「手ぶら登園」、
一応商標登録されている(登録第6219752号)のですが、
「おむつの貸与」等の必要な指定役務がカバーされていません
この点が残念だなと思いました。
この状態では、第三者に「おむつの貸与」等の必要な分野で
「手ぶら登園」を商標登録されてしまうリスク
があります。
そうなると、同じ名称でサービスを継続できなくなる恐れがあるんですね。

改めて、商標出願においては、
ビジネスを深く理解した上での
商標出願戦略
が不可欠だなと感じます。

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