※2022年12月27日配信メルマガVol.208より抜粋(一部加筆修正あり)
目次
「きぬた歯科」の看板広告
スマホで撮ったバカでかい院長の顔写真と
「インプラント」「JR西八王子駅前」の文字、
フリーダイヤルの電話番号、
そして「きぬた歯科」の医院名が書かれた大きな看板。
(商標登録第6844708号公報より引用)
首都圏にお住まいの方や、首都高を運転されている方であれば、
一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。
「きぬた歯科」は分院展開しておらず、
西八王子の1医院しかないのに、
関東に300ヶ所以上も看板を出しているそうです。
羅田泰和院長(以下、きぬた院長)も正確な数を把握していないのだとか。
(横浜の「きぬた歯科」はお兄さんのクリニックで資本関係なし)
微妙に看板デザインが異なっており、コアなファンまで登場。
「きぬティスト」と呼ばれ、
なんと看板の情報を記録したガイドブックの制作や、
神経衰弱のカードゲーム化までされています。
(きぬた院長からの承諾は得ているそうです)
「きぬた歯科」の看板広告は採算が取れているのか?
さて、そんな「きぬた歯科」は、
なぜ西八王子という東京の中心から外れた場所に1医院しかないのに、
「看板」に多額の広告費をかけているのでしょうか。
ちゃんと採算が取れているのでしょうか。
広告費の高い幹線道路沿いや高速道路沿いに設定しているので、
きぬた院長によると、年間でフェラーリ5台分ぐらいかかっているそうです。
おそらく2億円ほどではないでしょうか。
バラエティの番組では、きぬた院長は「趣味のため」と冗談っぽく言っていましたが、
おそらく勝算があって始められた広告戦略なのではないかと思います。
ネット広告は激戦区&規制が厳しく、効果に限界あり
まず、全国の歯科クリニックの数は67,899件で、
58,133件のコンビニよりも多く存在します。
いわゆるレッドオーシャンですね。
そして、自由診療の歯科クリニックは、
ネット広告を出稿しているのですが、
美容クリニックや化粧品の通販と同じくらい、
マーケティングの激戦区なのです。
特にインプラントは、
他院より安い「きぬた歯科」でも
1本20~30万円程度と治療の単価も高い分、
ネット広告のクリック単価も高額です。
この傾向は変わらないどころか、
年々競争が激しくなり、単価が上がり続けることでしょう。
しかも、医療分野は広告の規制が厳しく、
医療広告ガイドラインや景表法などの関係で、
治療効果など自分の強みをアピールすることができません。
ネットの広告だけで効果を出すには限界があるんですね。
看板広告は心理的効果も抜群
一方、院長の顔写真が入ったアナログな看板は、
インプラント治療を検討する前から
何度も勝手に視界に入ってきます。
人間は「人の顔」に無意識に注意がいくようになっていますから、
自然と記憶に残って認知してしまっているし、
単純接触効果により親しみを感じてしまっているでしょう。
そんな人たちの中の一定数が、
いざインプラントを検討するときは、
「インプラントといえばきぬた歯科」
という状態になっていて、
ネットで「インプラント」と調べずに
「きぬた歯科」と指名検索してしまうのです。
戦わずして勝つ状態ですね。
インプラント治療の技術も設備もバッチリで採算は問題なし
「きぬた歯科」には、歯科クリニックには珍しく、
インプラントの手術室が3室もあって、
1つの手術室を1日3~4回フル稼働させているそうです。
年間300日稼働、計3000件としても、
インプラント治療だけで
最低10億~12億円ぐらい年商がある計算になります。
そう考えると、年間2億の看板広告費がかかっていたとしても、
全く問題なく採算が取れることがわかります。
そう考えると、ネット広告全盛の中で、
あえて看板などのアナログ広告を打つことは、
立派な差別化につながるのではないでしょうか。
ちなみに「きぬた歯科」の文字は、
横浜のお兄さんの方の法人が商標出願(→その後登録されました。登録第6663550号)しています。
一緒にラジオに出たり、兄弟仲は良さそうなので、
おそらく商標の使用についてはライセンスするのでしょう。
※サムネ画像は、商標登録第6844708号公報より引用
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