※2021年6月29日配信メルマガVol.130より抜粋(一部加筆修正あり)
売れるネーミングの2つのポイントとは?
商品やサービスの売れるネーミングを考える際は、
「お客さんへの価値の伝わりやすさ」
と
「商標登録の取りやすさ」
の2つのポイントから考えるのがおすすめです。
「お客さんへの価値が伝わりにくい」ネーミングだと、
一体どういう商品・サービスなのか、
一目見ただけではよくわからないため、
興味を持ってもらいにくくなります。
ただ、最も価値が伝わりやすいネーミングは、
商品・サービスの特徴をそのまま説明したものになりますが、
こういったネーミングだと、
今度は他者の商品・サービスと似たような名前になりがちで、
かつ商標登録が取りにくくなります。
商標を取りにくいということは、
他者も似た名前を使うことができるということですね。
こういう説明的なネーミングを「識別力がない」と言いますが、
似たような名前の中に埋もれてしまうので、
なかなかお客さんに見つけてもらえず、
指名買いされないのです。
したがって、
名前を聞いただけで商品の特徴や価値が伝わり、
だけど、説明的でもないネーミング(商標登録も取りやすい)をつけることが理想なんですね。
2つのポイントを押さえた理想的なネーミングとは?
では、どうしたらそのような理想のネーミングをすることができるのでしょうか?
それは、商品やサービスの特徴を「暗示する」ネーミングにすることです。
商品やサービスの特徴を「直接的に説明する」ネーミングは、
「識別力がない」ネーミングで差別しづらく、商標登録しにくいですが、
「暗示する」ものであれば、「識別力がある」ため、
周りと差別化できて、商標登録も取りやすいんですね。
事例①「ゴキブリムエンダー」
例えば、昨年ヒットした「ゴキブリムエンダー」は、
煙が出ない特徴を持つゴキブリ駆除剤で、
「無煙」を文字った造語です。
https://amzn.to/3dlU018
これをひと吹きすると、ゴキブリとは「無縁」になることも予感させ、
まさに商品の特徴を「暗示する」ネーミングになっていますよね。
ちなみに商標登録は「ムエンダー」のカタカナ文字のものと
「MUENDER」の英文字のものを
別々に登録しています。
ゴキブリ用の他に、アリやコバエなど用の商品も販売しているので、
その関係でシンプルに「ムエンダー」で取っているのでしょう。
事例②「食べチョク」
また、同じく昨年ヒットした「食べチョク」は、
こだわりの産品を作っている農家や漁師などから、
直接旬の食材を取り寄せできる産直通販サイトです。
「食べ物」と「直販」を組み合わせた造語で、
こちらもサービスの特徴を「暗示する」ネーミングになっています。
https://www.tabechoku.com
秋元社長が自らネーミングされたそうで、
「直感的にわかりやすく、覚えてもらえそう」
という理由で採用したとのことです。
https://news.1242.com/article/246395
他のメンバーの異論を押し切って命名したそうなので、
よほどピンときていたのでしょうね。
ちなみに、「食べチョク」はロゴマークの形で商標登録されてますが、
周りの類似サービスと名前の面でも差別化できているし、
商標登録も取りやすいので、
文字でも商標を取るべきだとは思います(その後、2022年12月9日付で、文字の商標登録がされました)。
ブランドが育ったら、別事業にもネーミングを活用できる
なお、「食べチョクPro」という、飲食店向けの農家直送サービスもあります。
あえて全く別のネーミングにしなかったのは、
商標登録や管理のコストを考えたのかもしれません。
また、結果として「食べチョク」ブランドが育っているので、
そのブランド力を活用できる点も、
他者の同様のサービスに比して優れた利点ですね。
このように、
商品やサービスのネーミングの際は、
「お客さんへの価値の伝わりやすさ」と
「商標登録の取りやすさ」の
2つのポイントに気をつけると、
興味を惹きやすく、
なおかつ差別化され権利でも守りやすい名前になることでしょう。
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