※2020年8月18日配信メルマガVol.85より抜粋(一部加筆修正あり)
商標の価値を高めるには?
せっかく商標権を取得したら、
その商標がより高い価値を持つようになってほしいと思いますよね。
では、商標の価値を高めるには、どうしたら良いと思いますか?
結論はシンプルで、
「商標がより多くの人の目に触れる機会をつくること」
です。
多くの人の目に触れるほど、
- これは他の商品と違うものなんだ
- A社から出ているものなんだ
- こういう品質を持っているものなんだ
- 最近よく見かけるものだ
- この間買ったけどよかった
- 〇〇さんもいいと言っていた
といった認識が人々の中に生まれます。
そして、商品やサービスを選んでもらう機会が増えるから、
売上が上がり、商標の価値が高まるというわけです。
海外でブランドを浸透させた商標戦略
例えば、医療機器と健康機器の企画、製造、輸出入、販売を行う埼玉の中小企業、株式会社ICST。
海外(特にロシア)でよく売れている製品を作っていますが、
彼らは海外展開をするにあたって、
「いかにブランドを浸透させるか」という
ブランディング戦略を考えました。
まず、海外の代理店は、1国1代理店制度にして、
信頼できる会社とライセンス契約を締結。
これにより、最初は品質の粗悪なものが流出しないよう、
ブランドの供給先を限定しました。
また、商標のロゴマークは、現地に受け入れられやすいように色を変更し、
社名も変えて、きちんと商標登録。
そして「無償で使うことを許可」しました。
これにより、代理店であるライセンシー側は、高品質な日本のイメージを借りて、
自社のイメージを向上させることができ、売上が増加しました。
他方、ライセンサーであるICST側にとっても、
ロゴマークが人の目に触れる機会が増え、
ブランド力の向上につながりました。
日本を連想させるネーミングの効果
その結果、例えばハンディマッサージャー「NOZOMI」は、
(日本ではあまり馴染みがありませんが)
ロシアでは13年間モデルチェンジをせずに、年間18~25万台も売れている、
「薬局の定番」になっているそうです。
日本を連想させるネーミングが、
高品質なブランドイメージを与えているのも、
人気の秘密かもしれませんね。
とはいえ、単品勝負だと将来的になかなかブランドは浸透しにくいもの。
国によって売れない商品がある場合は、市場の選択の幅が狭まってしまい、
グローバル展開が難しくなります。
そこで、ロゴマークがさらに多くの人の目に触れる機会が増えるように、
今後は、その他の健康機器にも同じ名前を用いるなどして、
1品ずつアイテム数を増やしていくとのことです。
商標自体の宣伝広告機能を活用しよう
商標は、自社と他社の商品やサービスを見分けるものです。
その商品等の出所を表し、品質を保証し、
商標自体が宣伝広告機能を持ちます。
「せっかく商標権を取得したからには、商標で儲けたい」
というような相談を受けることもありますが、
それよりも、商標の機能を理解した上で、
「商標がより多くの人の目に触れる機会をつくるにはどうしたらいいか?」
と考え、
あえて「無償で商標ライセンス」するという選択肢も
検討されてみるのははいかがでしょうか。
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