商標の拒絶理由通知が届いた!対応方法と成功するためのポイントを解説

商標の拒絶理由通知が届いた!対応方法と成功するためのポイントを解説

突然届いた「拒絶理由通知」、どうすればいい?

特許庁から届いた 「拒絶理由通知」 を見て、驚いたり焦ったりしていませんか?

「せっかく出願したのに、どうして拒絶されたの?」
「このまま何もしなければ、商標登録はできないの?」
「どう対応すればいいの?専門家に相談したほうがいい?」

拒絶理由通知は、「あなたの商標は、このままでは登録できません というお知らせです。
しかし、適切に対応すれば、登録のチャンスはまだ残っています

この記事では、

  • 拒絶理由通知の意味とよくある拒絶理由
  • 拒絶された場合の対応方法
  • 商標登録を成功させるポイント

について詳しく解説します。

まずは、「拒絶理由通知とは何か?」を理解しましょう。


拒絶理由通知とは?

拒絶理由通知とは、特許庁の審査で「このままでは商標登録が認められない」と判断された場合に送られる通知 です。

💡 ポイント

  • これは「商標登録が完全にダメ」という意味ではない
  • 対応次第で、登録できる可能性はまだある
  • 一定の期間内(通常40日)に対応しないと、出願が拒絶される

まずは「なぜ拒絶されたのか?」をしっかり理解することが大切です!
次に、よくある拒絶理由を見てみましょう。


商標が拒絶される主な理由とは?

商標が拒絶される理由はいくつかありますが、特に多いのは次の3つです。

1. 他の商標と類似している(商標法第4条第1項第11号違反

すでに登録されている先行商標と似ている場合、他社の商品・役務の出所と混同する」と判断されて拒絶 されます。4条1項11号違反は、拒絶理由全体の約35%を占めています。

💡 例えば…

  • 既に「BLUE COFFEE」という商標が登録されているのに、「BLU COFFEE」を出願した場合
  • 既存の「SORA」があるのに、「SORA+」を登録しようとした場合
hoyano
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最近の事件で、「マ-くん」という商標を出願したところ、すでに「Markun.」という商標が登録されていたため、拒絶された事例があります(令和6(行ケ)10029)。

対策

  • 意見書を提出し、「類似しない」と主張する
  • 手続補正書を提出し、先行商標と同一・類似の指定商品・役務を削除する
  • 商標の一部を変更し、再出願する

2. 説明的な表現(識別力がない)(商標法第3条1項第3号違反

商標が説明的「識別力」がないと判断されると、登録できません。例えば、「地名+商品名からなる」「商品の品質を表している」「サービスの質を表している」「宣伝・広告文句として一般的に使われている」商標などが挙げられます。3条1項3号違反は、拒絶理由全体の約20%を占めています。

💡 例えば…

  • 「青森りんご」という商標をりんごに対して登録しようとする(「地名+商品名」からなる単なる説明だからNG)
  • 「おいしいパン屋」という商標をパン屋に対して登録する(「サービスの質を表示」した単なる説明だからNG)
hoyano
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最近3条1項3号違反と判断された事例では、
・「鉄水」という商標を出願したところ、「鉄を含有する水及びそれを原材料とする商品であることを認識するにすぎない」として拒絶されたもの(不服2023-3309

・「鮨重」という商標を出願したところ、「すしを重箱又は重箱風の入れものに詰めた料理であることを表示したものとして認識させるにすぎない」として拒絶されたもの(不服2023-8683

・「街なかはちみつ」という商標を出願したところ、「街中で生産されたはちみつを表示したものと理解するにとどまる」として拒絶されたもの(不服2024-1426

・「あらごしみかん」という商標を出願したところ、「粗くこしたみかんを使用した商品と理解、認識されるにすぎない」として拒絶されたもの(令和6(行ケ)10004
があります。

対策

  • 意見書を提出し、「識別力がある」と主張する
  • 造語して、再出願する(例:「アップルフル」など)
  • ロゴを加えて再出願する
  • 手続補正書を提出し、識別力がない対象となる指定商品・役務を削除する

3. 商品・サービスの記載が不明確、または範囲が広すぎる(商標法第6条第1項、第2項 & 商標法第3条第1項柱書違反)

指定した商品・サービス(役務)が曖昧すぎたり、広範囲すぎると、拒絶されることがあります。6条1項、2項違反は拒絶理由全体の約40%、3条1項柱書違反は約20%を占めています。

💡 例えば…

  • 「〇〇サービス」 → 何のサービスなのか不明確
  • 「第32類 ビール」とすべきところを第33類 ビール」として出願 → 区分が不適切
  • 「飲食店、アパレル、化粧品」など、幅広い業種を一括で指定 → 本当に全部使うのか疑問視される
hoyano
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実際の事件で、第35類「電力の小売等役務」を指定して出願したところ、「商品又は役務を適切に指定したものとはいえない」「その内容及び範囲を把握できない」と判断され、6条1項及び2項違反で拒絶されました(不服2017-12353)。
→第39類「電気の供給」としていたら、このような拒絶理由が通知されることはなかったと考えられます。

hoyano
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下記の場合は「広い範囲の商品・サービス(役務)」を指定しているとして、3条1項柱書違反が通知されます。
・1つの区分内で、指定商品・役務に付与される類似群コードが「23種類以上」ある
・35類の小売サービスを「2種類以上」指定している

対策

拒絶理由を理解したら、次は「どう対応するか?」が重要です!


拒絶理由通知を受け取ったときの対応方法

拒絶理由通知が届いたら、次の3つの方法で対応できます。

1. 意見書を提出して反論する(意見書の活用)

  • 「この商標は登録できる」と主張するための文書を提出
  • 類似しない理由や識別力があることを客観的に説明できれば、登録の可能性が高まる
  • 専門的な内容になるため、弁理士に相談するのがベスト!

2. 指定商品・役務を修正する(手続補正書の活用)

  • 指定商品・役務を変更又は削除し、拒絶理由を回避
  • 補正により商標の表記を変えることは、基本的に認められないので、その場合は表記を変えて再出願してください

3. 何もしない(商標登録を諦める)

  • 対応しないと、出願が拒絶される
  • ブランドを守るためには、できる限り対応すべき!

→ 拒絶理由通知に対する応答期間は40日と決まっているので、「どう対応すればいいのか?」迷ったら、すぐに専門家に相談しましょう。


商標専門弁理士に相談するメリット

拒絶理由を正確に分析し、最適な対応を提案できる
意見書をプロの視点で作成し、登録の可能性を高める
適切な補正・再出願の方法をアドバイスできる

💡 「登録できる可能性があるなら、できるだけチャンスを活かしたい!」
そんなときこそ、弁理士に相談するのがベストです。

では、商標登録を成功させるために重要なポイントを押さえましょう。


商標登録を成功させるためのポイント

1️⃣ 出願前に商標調査を徹底する(類似商標がないか、識別力があるか等、出願前にチェックすることが大事です)
2️⃣ 拒絶理由通知を受け取ったら、すぐに対応する(意見書 or 手続補正書)
3️⃣ 迷ったらすぐに専門弁理士に相談し、確実な登録を目指す


まとめ – 商標の拒絶理由通知が届いたら?

拒絶理由通知は「登録できる可能性がまだある」というサイン!
拒絶理由を正しく理解し、適切に対応することが重要
意見書の提出や再出願で、登録のチャンスは十分にある
確実に登録するなら、商標専門弁理士に相談するのがベスト!

あなたの大切な商標を守るために、今すぐ適切な対応を始めましょう!