正しい手順で事業を作るために、いったん商標のことは忘れよう!

正しい手順で事業を作るために、いったん商標のことは忘れよう!

※2019年7月30日配信メルマガVol.30より抜粋(一部加筆修正あり)

具体的な商品・サービスが未定の商標を出願するには?

弊所のお客様の中には、商品・サービス化は未定だが、キャッチーなネーミングを思いついたから商標登録したい、とご相談される方もいらっしゃいます。

そんな時は、「仮に商品・サービス化した時に、どのようなものが考えられるか?
仮に他者に使用されるとしたら、どのようなものが考えられるか?
という攻めと守りを意識して、出願書類を作成します。
お客様がこれまでされてきたことを元に発展系を考えるわけですが、
この作業が仕事をしていて一番楽しく、一番時間がかかり大変なところでもあります。

商標の活用の前に正しい手順で事業を作る

しかし、いざ登録が取れた後も、その商標を使ってやりたいことが明確でないと、
「商標をどう活かしたらいいのか?」が不明確なまま
である恐れがあります。

そこで改めてご相談をいただくことがあるのですが、
そんな時は、いったん商標のことを忘れてください。

まずは、事業の目的からコンセプトをつくります
そして、コンセプトから顧客の対象を絞り込み、提供する価値を決めます。
顧客を絞り込むほど、提供する価値は明確になっていきます。
その際に、顕在化しているニーズだけでなく、潜在的なニーズにも目を向けます。
顧客の声の表面的なところではなく、その奥底にある本音があるはずです。
提供価値が決まると、そこで初めて具体的な商品やサービスが出てきます。

具体的な商品やサービスがはっきりしてきたら、それを届ける仕組みを考えます。
バリューチェーンといいますが、外部の資源も活用して可能性を模索します。

意外かもしれませんが、マネタイズの仕方を考えるのはその後です。
受益者(実際に商品やサービスを手に取る人)と、支払者(お金を払う人)が別々でも良いのです。

最後に、キャッシュフローモデルを考えます。
売上の見通し、コスト構造、収支の見通し、資金の見通し、これらのシナリオを検討します。
融資を受けたりする場合は、これらを事業計画書等にまとめる必要があります。

商標の本来の役割

商標は、本来これらが決まった後に出てくる話なのですね。
価値を顧客に届ける段階で、
商標をうまく各種メディア等に露出させることで、
顧客に記憶してもらい、商品やサービスの購買意欲を作り出し、
気に入ってもらったらリピートや口コミを作り出すわけです。

登録商標は、他者に無断で使用させないことができ、
また、他者に使用の許可を与えることができるので、
商標のライセンスで稼ぐとか、そういう話が先行しがちですが、
実際は、提供する価値や、具体的な商品・サービスありきの話なのです。

もし、登録した商標が、実際に提供するものをカバーしていなければ、
新たに出願して登録を受ければよいのです。

上記の事業の作り方の手順は、
「図解でゼロからわかる! 成功する事業計画書のつくり方」
(ナツメ社、秦充洋著)
が非常に参考になりますので、オススメいたします!
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