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前回、前々回と、
AIが創作したものに著作権があるのかとか、
猿が撮った写真に著作権があるのかといったお話をしてきました。
今回は、AI(人工知能)や猿が描いたロゴでも商標権が取れるのか?
についてお話をします。
みなさんはどう思いますか?
著作権がなかったから、
商標権も取れないと思いますよね。
正解は、商標権は取れる可能性があります。
取れちゃうんですね。
商標というのは、
著作権とか特許とかと違って、
創作するものではないんです。
自社と他社の商品やサービスを見分けるためのマーク、目印なので、
人間が作ろうが、
猿が作ろうが、
AIが自動的に作成しようが、
関係ないんですね。
法的には、商標というのは、
「創作物」ではなく「選択物」、
創るものではなく、選ぶものなんです。
今って特に、
AIが無料でロゴマークを作ってくれるサービスがあるのをご存じですか?
例えば、
「Adobe Express」というAdobeが作ったサービスや、
https://www.adobe.com/jp/express/create/logo
「Brandmark」というサービスや、
https://brandmark.io
「Hatchful」というサービスもあります。
https://hatchful.shopify.com/ja/
こんなに簡単にハイクオリティのものができてしまうと、
ロゴデザイナーも真っ青という感じですが、
AIが作ったものでも、商標権が取れる場合があるんですね。
ただし、注意すべき点が2つあります。
1つは、サービスの利用規約によっては、
無料のアカウントだと商用利用不可となっていたり、
商標登録禁止になっていたりするかもしれない点です。
この辺りは、ご自身で規約を確認してから、
商標出願の手続をするようにしてください。
もう1つは、
過去に類似の商標が出願や登録されていたり、
商標登録の要件を満たさないかもしれない点です。
商標登録の要件は40個近くあって、
特に先に似たデザインのロゴが登録されていると、
そのロゴは商標登録できないどころか、
使うことすらできません。
したがって、ロゴが出来上がっても、
それで満足することなく、
類似のがないかとか、調査することが大切だと言えます。
ぜひその点は気をつけてみてください。
※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。