価格の心理学

価格の心理学

・「価格の心理学」(リー・コールドウェル (著),武田 玲子 (翻訳))
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「価格は原価やコストではなく、顧客の心理(価値認識)と比較関係によって決まる」という、マーケティングの根幹を明らかにする実務書です。

本書の内容

著者は、架空の商品「チョコレートポット」を題材に、「どこに並べられるか」「どの競合と比べられるか」「どんな心理状況で購入されるか」といった変数が価格を左右することと説明します。

価格を設定するための自社商品が提供する価値の分析と、そのための根源的なニーズへの掘り下げの仕方など、かなり具体的にフォローされています。

また、固定費と変動費を元に、販売数量に応じた最低販売価格の算出と、ポジショニングや提供価値に基づいた価格設定の仕方まで解説されているので、とても実践的です。

もちろん、本のタイトルに「価格の心理学」とあるように、最初に見た数値により判断が左右される「アンカリング効果」や、多様な価格帯の商品を用意して高額商品の顧客を増やす「価格差別」など、すぐに使える心理効果も紹介されています。

読んで感じたこと

この本を読んで、自分は価格についてここまで深く考えてこなかったなという反省が強く湧きました。

「値決めは経営である」という稲盛和夫さんの言葉がありますが、まさにその通りで、価格を中心として商品のポジショニング、価値の伝え方、価格のメリハリの付け方、広告の出し方、ひいてはスタッフの採用や教育の仕方などが変わってくるんだなと実感しました。

本著の内容を1つでも自社でも取り入れるだけで、価格設定を見直す余地が出てくるはずです。

こんな方におすすめ

・商品・サービスの価格設定に悩んでいる経営者・マーケター
・値下げ競争に巻き込まれがちな中小企業や士業の方
・自分の提供価値を顧客に正しく伝えたい営業・販売職の方

価格を「ただの数字」ではなく「価値の表現」として捉え直すことで、ビジネスの収益構造に新しい視点が生まれます。価格設定に迷ったときや、なかなか黒字が出なくて苦しいときには、この本が大きな助けになるでしょう。

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※サムネ画像は「Amazon.co.jp」の商品ページから引用