・「「地方」は最強の武器になる: 逆境を力に変える経営術」(齋藤憲嗣 (著))
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概要
家業の内装業を継いだ後、経営の危機を乗り越える中で介護事業に参入。決して条件が良いとは言えない地方都市で地道に信頼を築き、3社の事業承継と経営再建を果たした著者が、地方の不利をむしろ「最強の武器」に変えていく過程をリアルに書いた一冊です。
地方での会社経営と聞くと、情報は遅れているし、人口は少ないし、若い人も少ないため、「だからうまくいかないんだ」と言い訳してしまいがちです。
しかし、「地方だからこそ、できること」に真摯に向き合うことで、地域の絆を大切にし、独自のネットワークを築き、一人ひとりと深く関係を育てていくことでうまくいくという、都市部では真似できない発想と行動力が光って見えました。
人件費は仕組み化
著者の固定観念にとらわれない柔軟さと、周りの人との関係性を大切にする誠実さは、ぜひ真似して採り入れたい所だと感じます。
特に、介護施設での食事提供における、人件費がかかりすぎる上に人手不足という課題に対して、単純に人件費を削るのではなく、「調理済み食材を活用する」ことで、経営を効率化させながら高品質なサービスを実現した仕組み化はお見事でした。
「人件費を抑えたい(人手を増やしたくない)」「品質を下げたくない」という二項対立に見える課題を、アウフヘーベンするような考え方に見えます。
地域No.1を目指すな!地方では他者との共存がカギ
また、個人宅への配食サービスを行う際は地元の弁当屋さんと提携、遺品整理事業を行う際はゴミ処理業者や骨董品店と提携するなど、自分たちですべて行うのではなく地域内の専門家と協力する姿勢が、著者の会社が地方で持続的に成長している秘訣だと感じました。
既存の経営本では「地域No.1を目指せ!」という論調をよく見かけますが、他者との共存を図ることで健全な市場を築いていく方が、人口減少の著しい地方では有効なのだと理解できました。
まとめ
本著では、著者が実践されてきた「制約を武器に変える」という地方ならではの成功法則が余す所なく紹介されており、地方で頑張る経営者にとって、きっと背中を押してくれる一冊になるでしょう。
逆境の中にいる方や、「環境のせいでうまくいかない」と感じている方にこそ、本著を手に取って「どこにいても価値を生み出せる」という感覚を味わってもらいたいなと思います。
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