※2025年3月4日配信メルマガVol.322より抜粋(一部加筆修正あり)
なぜ激戦のヘアケア市場で「YOLU」は伸びたのか
発売から約1年で累計販売数1000万個を突破し、
2023年9月のドラッグストア市場で
ヘアケアブランド別売上シェア日本一を記録した
「YOLU」というシャンプーのブランドがあります。
レッドオーシャン市場で、
大手企業でもなく、価格も1000円以上する中価格帯なのに、
「YOLU」はなぜここまで売れるようになったのでしょうか?
それは「世の中に無かったコンセプト」を打ち出したから。
「YOLU」は、睡眠中に髪の毛をケアできる「夜間美容」というコンセプトを作り、
新たな市場を生み出すことに成功したのです。
新コンセプト「夜間美容」とは?
運営会社の「I-ne」によると、
寝ている間に、髪の毛は摩擦や乾燥といったダメージを受けて傷んでいる、
というエビデンスがあるのだそうです。
一方で、「ナイトキャップ」が存在するように、
寝ている最中に髪を保湿し、摩擦からも防ぐ需要は元々ありました。
そこで、ナイトキャップのように睡眠中の摩擦や乾燥による髪のダメージを防ぎ、
うるおいを保つことができるヘアケア商品を開発したのですね。
目覚めた朝には「夜間の美容効果」を感じられることで、
気持ちが前向きに明るくなり、いい1日のスタートを切ることができる、というわけです。
この独自のコンセプトには「夜間美容」、
そして商品には「YOLU」という、顧客に価値が伝わる名前をつけて、
商標登録も果たしました(登録第6563963, 6478675号)。
口コミとトレンドで大ヒット
また、コンセプトを反映した独自性のあるパッケージデザインがウケて、
インフルエンサーたちがこぞってSNSで拡散してくれたのです。
発売した2021年は、コロナ禍で「おうち美容」というテーマが流行っていて、
そのトレンドにもうまく乗ることができました。
こうしてネット販売の実績を作ってから、
ドラッグストアでスケールすることにも成功したのですね。
「世の中にないコンセプト」の伝え方
どんなに競争の激しいレッドオーシャンの中でも、
需要があって、まだ世の中にないコンセプトを作ることができれば、
ヒット商品を生み出すことができます。
そして、「世の中にないコンセプト」は、
「お客さんがすでに知っている何か」と結びつけることができれば、
よりブランドに対する理解が進み、記憶もしやすくなります。
「YOLU」が「ナイトキャップ」と結びつけたように、
何か既知のものと結びつけられないか?
考えてみるといいですね。
