「肉屋の肉ヤ」に学ぶ:工場内製×無人販売×ネーミングで“買いやすさ”を設計する方法

「肉屋の肉ヤ」に学ぶ:工場内製×無人販売×ネーミングで“買いやすさ”を設計する方法

※2025年1月14日配信メルマガVol.315より抜粋(一部加筆修正あり)

無人販売FCの味付け冷凍肉専門店が熱い

最近近所でも見かけるのですが、
札幌発の味付け冷凍肉専門店
肉屋の肉ヤ」をご存知でしょうか?
https://meatmarket.jp/
https://meetmarket.shop-pro.jp/

24時間営業している無人店舗で、
40種類以上ある味付け冷凍肉を販売しています。

ユニークな店名と無人店舗販売という形態が受けて、
全国にFC加盟店が広がっているようです。

ネーミングとパッケージでシェアされる導線

HPを見てまず目が行くのが、これらの1つ1つの商品に付けられているネーミングではないでしょうか。

例えば、牛カルビ(旨タレ)は「マスオ、カツオ、ワカメ、カルビ。
牛カルビ(旨塩)は「部屋とYシャツと、カルビ。
豚ホルモン/直腸(旨味噌)は「男ってみんな、味噌つき
鶏モモ(ガーリックバター)は「君の、ガーリック&バターの、その味付けのせいだよ。
鶏コニク(旨塩)は「長州小肉
手ごねハンバーグは「最初はグー、ハンバーグー
など、お馴染みのフレーズや歌詞、芸能人名などをもじった名前になっているんですね。
(中にはギリギリ大丈夫?と思うものも)

インパクトある名前なので、より楽しく買い物体験ができますし、
思わず写真に撮ってシェアしたくなるので、
SNS等でも口コミされやすいでしょう。

店舗やパッケージのデザインもユニークで洗練されていて、
シンプルとインパクトを絶妙なバランスで両立させています。
かなりのブランディング巧者だと感じました。

自社工場×無人販売×お手頃価格で“買いやすさ”を作る

こういった見た目のインパクトがある分、
ブランディングや無人販売のところだけに目が行きがちですが、
実は、自社で食肉加工の工場を持っているのが最大のポイントです。

そのおかげで、お客さんが買いたいと思う価格設定が可能なんですね。

商品ラインナップを見てみると、
1つ200~400グラム程度で、
500円から1200円ぐらいの価格で売られています。
これなら手を出しやすくないですか?

スーパーで売っている生肉と比べたら高く見えますが、
こちらは味付け肉なので、競合は焼肉店になります。
焼肉店では、カルビ100グラム1000円ほどが相場なので、
そう考えるとリーズナブルです。

なかなかスーパーでは手に入りづらい部位の肉や、
ラム肉まであるので、いろんな肉を楽しみたいニーズも満たしてくれますね。

この強みを活かすためのネーミングやデザイン、
無人販売というビジネスモデルとも言えるでしょう。

物流提携で全国FC+BtoB卸で安定収益

そんな「肉屋の肉ヤ」、
本州への冷凍食品の配送費用がかなりかかるということで、
以前は北海道内だけに出店していたのですが、
配送会社と提携をすることで、コストを下げることができ、
全国へのFC展開ができるようになったそうです。

加盟店側としても、初期投資を抑えながらスタートできるということで、
全国に急速に広がりつつあります。

ちなみに、飲食事業者向けに卸販売もしていて、
仕込みの人件費削減やオペレーションの簡略化、
原価の一定化、廃棄ゼロなどの需要に応えています。

BtoBのビジネスを組み合わせることで、
売上・利益も安定化しやすく、ブランド力や知名度の向上も見込めます。
商品開発や品質向上へのフィードバックも得られるし、
何よりリスク分散にもなるので、
BtoCとBtoBの両輪で事業を展開する戦略は大きな強みだなと感じました。

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