顧客層を年齢で分けても意味がなくなってきた理由とは?

顧客層を年齢で分けても意味がなくなってきた理由とは?

※2023年7月18日配信メルマガVol.237より抜粋(一部加筆修正あり)

年齢で顧客層を分けるのが難しくなってきた

マーケティングの戦略を立てる際に、
年齢で顧客層を絞り込んで、
その顧客層のニーズを考える
ことは
よくあることかと思います。

例えば、「60代男性」「30代女性」のような形です。

しかし、近年ではこの
「年齢で顧客層を分ける」
ことが難しくなって
きています。

ここで、「消齢化」という言葉があるのをご存知でしょうか?

博報堂が作った言葉で、

生活者の意識や好み、価値観などについて、年代/年齢による違いが小さくなる現象

のことを言います。
現代社会はこの「消齢化」が進んでいると指摘しているんですね。
https://seikatsusoken.jp/miraihaku2023/

ちなみに、まだ審査中ですが、
商標出願もされています(←その後、登録されました。登録第6764069号)。

「消齢化」現象が起こる3つのパターン

「消齢化」現象は主に3つのパターンに整理できるそうです。

①下降収束型

1つ目は「下降収束型」。

例えば、「夫婦はどんなことがあっても離婚しない方がよい
という家族のあり方について、
20年前は、60代の人は「離婚すべきでない」と思う人が多く
20~50代はそのような意識は薄かったのですが、
現在は、60代の人も「離婚すべきでない」との意識は薄れ
年代間の差がかなり小さくなりました。

つまり、各年代の回答の数が下降しながら近づいている現象ということですね。

②上昇収束型

2つ目は「上昇収束型​」。

例えば、「携帯電話やスマホは私の生活になくてはならないものだ
という意識は、
20年前と比べて各年代で強くなっていて、
これまた年代間の差がかなり小さくなりました。

つまり、各年代の回答の数が上昇しながら近づいている現象ということですね。

③中央収束型

3つ目は「中央収束型​」。
例えば、「ものやサービスの購入についてこだわる方だ
という意識は、
30年前20,30代に「こだわる」が多く
40~60代には少なかったのが、
現在20,30代の「こだわる」が減り
逆に40~60代が増えた結果、
年代間の差が小さくなったのです。

つまり、世代により回答数が大きく乖離していたのが、
中央に集まる形で近づいている現象ということですね。

そういえば、
今や老若男女問わずユニクロやGUを着ていて、
年代間のファッションの違いも少なくなってきていますよね。
これが「消齢化」の現象というわけです。

「消齢化」の要因と今後の傾向は?

「消齢化」の要因としては、

  • 「〇〇すべき」といった価値観が減ったこと
  • 元気な中年・シニアが増え、若者も大量の情報にアクセスできることから「〇〇できる」という能力が増えたこと
  • 「〇〇したい」という好みや関心が重なるようになったこと

が挙げられています。

そして博報堂のシミュレートによれば、
「消齢化」の傾向は今後さらに進んでいくとのことでした。

したがって、マーケティングにおいて
年齢で顧客層を絞り込んでいくことは
さらに難しくなっていく
と考えて間違いなさそうです。

そしてさらに、
今後は「性別による違い」のようなものも小さくなってくると思います。
ファッションや美容なんかではその傾向が見られますが、
さまざまなニーズがジェンダーレス化していくことでしょう。
(色々な問題も生じてきていますが)

いずれにしても、
このような「消齢化」の視点から、
顧客のニーズを考え直す時が来ているのかもしれませんね。

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