※2020年10月6日配信メルマガVol.92より抜粋(一部加筆修正あり)
同業者の倍売り上げる「杉山フルーツ」
withコロナ時代のニューノーマル経営のお手本のような会社で、
「杉山フルーツ」という、静岡県富士市の小さな果物店があります。
10年以上前に開発した「生フルーツゼリー」が一躍話題となったので、
ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
この果物店は、従業員5名ほどの規模ではありますが、
平日は1日100人強、土日は1日150人ほどの来店があり、
客単価は3000~5000円とお高め。
1人あたりの売上高や、平米あたりの売上高は、
同業者の倍はあるそうです。
最初からこのような人気店だったわけではなく、
ある出来事をきっかけに、現店主の杉山清さん(自称:フルーツアーティスト)
が改革を起こしたことに基づきます。
ピンチから生まれた「2つの改革」
その出来事とは、杉山フルーツの入っている商店街にあった、
大型店2店が撤退したこと。
商店街の商売は、
大型店の買い物客が、買い忘れなどの理由でふらっと立ち寄ることで
集客が成り立っていたのですが、
それがなくなって一気にお店の数が半減し、
シャッター街になってしまったそうです。
窮地に陥った杉山フルーツは、2つの改革をします。
1つは、顧客層を「個人の贈り物需要」に特化すること。
もう1つは、「メディアが取材にくるようなイベント」を仕掛けること。
個人の贈り物需要
1つ目の「個人の贈り物需要」は、景気に左右されにくいのが特徴です。
企業相手だと、贈答用の「交際費」が不景気の中ではカットされやすいため、
景気の影響を受けにくい個人をターゲットにしているのですね。
贈り物用に絞ったのは、少々高くても本当に新鮮でいいものを提供することが、
自分たちの信頼にもつながるからです。
そんな高品質な果物を届けるための努力は、並々ならぬものがあります。
例えば、市場から果物を仕入れる際に、普通は段ボールが積み重なって下の方の果物は潰れてしまいますが、
杉山フルーツでは、わざわざ全部バラして、傷んだものやいびつなものを取り除いて入れ直しています。
また、杉山清さん自身が、毎朝市場に出かけて自分で目利きし、自分で食べた上でスタッフみんなで検討するそうです。
果物によっては、産地に出向いて農家から直接買い付けます。
ここまでして並んだ商品が、お客さんの手に渡るのですね。
そのため、大量生産・大量販売はできませんが、
逆に「飽きられてしまう」というデメリットも防げるので、
持続可能性の面でも正解といえます。
メディアが取材にくるようなイベント
2つ目の「メディアが取材にくるようなイベント」は、
広告宣伝費をかけずに集客するための知恵ですね。
その際たるものが、百貨店等での「出張販売」。
普通の「出張販売」と侮ってはいけません。
杉山さんはこれを「ライブ」と呼んでおり、
追っかけするほどのファンもいるのだとか。
他にも、「みかん100箱売り上げ記念セール」、
正解者はみかん1箱もらえる「みかんの産地5カ所味比べ」、
「りんごの皮むき競争」など。
昨年末から始まったマルシェは、新型コロナでしばらく休止していましたが、
6月21日に「粛々マルシェ」と称して復活。
感染症対策を行った上で、多くの来場者で賑わいました。
規模が小さいから勝てる
杉山フルーツの強みは「規模が小さい」点が挙げられます。
杉山さんはこれを、
「スケールメリットよりスモールメリット」
と称しています。
「スモールメリット」は、
規模が小さいことで小回りが効き、
顧客の潜在ニーズを把握しやすい点にあります。
仮説と検証を高速回転させ、
いつもお客さんに満足してもらえるお店作りを心がける。
その努力の甲斐あって、
杉山フルーツには、全国からお客さんが訪れて絶えないそうです。
※参考
https://youtu.be/d2_k4bSILyM
https://youtu.be/7PqwDddweeE
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