こちらのブログ内容は、音声で聞くこともできます。
https://stand.fm/episodes/60dd369b0f804f00064ae857
★弁理士とは?
今日7月1日は「弁理士の日」です。
弁理士がどんな仕事をする人なのか?
世の中に弁理士がどれくらいいるのか?
どうやったら弁理士になれるのか?については、
29回目と30回目のstand.fmの配信で詳しくお話しましたので、
ぜひそちらも聞いていただければと思います。
https://stand.fm/episodes/60235f7e8ba7e1dab82004f2
https://stand.fm/episodes/6024a1ac83a4821f5054c2ac
簡単に言えば、
特許や商標や意匠といった、知的財産権を取るために手続をしたり、
争いの解決をしたりする仕事です。
他にも戦略のアドバイスをしたり、今は多種多様な仕事があります。
★今日が「弁理士の日」である理由
なぜ今日が「弁理士の日」なのかと言うと、
今から122年前の明治32(1899)年7月1日に、
弁理士法の前の法律である「特許代理業者登録規則」が施行されたからです。
そこで、日本弁理士会では、
その「特許代理業者登録規則」の施行日である7月1日を「弁理士の日」に制定しているんですね。
「特許代理業者登録規則」の元で、
最初に「特許代理業者」、今でいう弁理士になったのは、
合計138名だったそうです。
今の弁理士が11,520名なので、83.4倍に増えたわけですね。
明治42(1909)年に、「特許代理業者」と言う名前が「特許弁理士」と言う名前に変わり、
大正10(1921)年に、「弁理士法」が公布されて、単に「弁理士」と呼ぶようになりました。
それで今に至るわけです。
※参考「日本弁理士会の歴史」
https://www.jpaa.or.jp/about-us/history/
★弁理士バッジ
弁理士資格を取得して登録すると、
晴れて弁理士となり、弁理士バッジがもらえます。
弁護士バッジみたいなものですね。
サムネの画像が弁理士バッジです。
普段はほとんどつけないので、久しぶりに取り出しました。
弁理士のバッジのことを徽章(きしょう)と言いますが、
こちらは「十六弁菊紋」に「五三桐紋」があしらわれたデザインになっています。
裏側には登録番号が刻まれており、
自分オリジナルのバッジなんですね。
お金で買えない価値なので、結構自慢できます。
ここで、菊と桐のデザインにしているのには意味があって、
菊花紋は「正義」を、
桐花紋は「国家の繁栄」を、
それぞれ表していると言われているんですね。
みなさんもご存知のように、菊花紋章は「菊の御紋」と言って、
日本の皇室を象徴しており、国旗に準ずる扱いを受けております。
そして、これに同一・類似する商標は、登録できないことになっています。
つまり、日本において菊の紋はとても重要な意味があって、
法的にとても大切に扱われているのですね。
天皇家は「十六弁八重表菊紋」をお使いになっておりますが、
宮家の方、つまり皇族方はこちらを敬避なさって
「十四弁一重裏菊紋」をお使いになります。
弁理士のバッジは、なんと天皇家と同じ十六弁菊紋を用いているので、ちょっと畏れ多い感じがします。
★菊花紋の構造についての自分流解釈
菊花紋の構造を見てみると、中心がありながら、
花びらは中心から分かれて広がって、それぞれが独立していますね。
私はこの調和した形が大好きです。
勝手な解釈をすると、みんながそれぞれ独立した個性を持っていて、等しく尊重される存在であり、
それでいて中心でひとつにまとまっている。
そんなふうに解釈しています。
何か深遠な、宇宙の構造を最も端的に表した図柄のような気がしてしまいます。
弁理士の仕事も同じ。
「世の中を良くしたい」という各企業の思いはひとつですが、
それぞれの個性(事業、知的財産)は独立して尊重されるものです。
それを保つのが我々の仕事で、すばらしい世の中を創る原動力になるのだと考えています。
以上、今日は弁理士の日ということで、
ちょっとマニアックな話をさせていただきました。
※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。