※2022年8月23日配信メルマガVol.190より抜粋(一部加筆修正あり)
「日本一労働時間が短い超ホワイト企業」未来工業
中小企業の成功事例で、よく「未来工業株式会社」の事例が取り上げられます。
https://www.mirai.co.jp
東証プライム市場にも上場している未来工業は、
主に「電設資材」と呼ばれる、
電気設備用の電線やスイッチ、配電ボックスといった商品を扱っている
岐阜県のメーカーです。
2022年3月期の決算では、
売上高369億、営業益40億、営利率約11%を誇る
高収益企業です。
この会社は、
- 就業時間は午前8:30~午後4:45
- タイムレコーダーなし
- 営業ノルマなし
- 休日は年間140日、年末年始は20連休で日本一
- 報連相禁止、命令禁止
- サークル活動に会社から月5万円補助
- 全員参加の海外旅行
- 定年70歳、65歳社員の年収700万円、社員の平均年収600万円
- 改善案出すと一律500円、採用されると3万円支給
などなど、
「日本一労働時間が短い超ホワイト企業」ということで有名になりました。
創業者の本も高い社員満足度に焦点
創業者の故・山田昭男さんの書籍も、
こうした高い社員満足度や働き方に焦点を当てたものがほとんどで、
工場見学に訪れる人も跡を絶たないそうです。
(見学料金はトヨタより高いのだとか)
・「山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル」
https://amzn.to/3Ka03oD
・「ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる」
https://amzn.to/3w93yWr
・「稼ぎたければ、働くな。」
https://amzn.to/3ppq7mj
成功したのは福利厚生のおかげ?
では、未来工業が成功しているのは、
こうした福利厚生が原因なのでしょうか?
いいえ、違います。
業界トップの高収益体質の企業だから、福利厚生を充実させることができたのであって、
福利厚生が充実しているから、高収益になったわけではないんですね。
因果関係が逆なのです。
未来工業がうまいのは、
福利厚生の部分だけを強調したことではないでしょうか。
TV番組等でもそこだけが取り上げられ、
多くの会社が真似しました。
しかしそれでは、高収益になるどころか、
費用が増えるので利益がなかなか出ません。
成功の本当の原因である「高収益ビジネス」の部分を
真似しようとする会社が現れないから、
業界でトップで居続けられるのでしょう。
こうして1人勝ちすると、
良い人材も集まるし、さらに生産性が向上します。
こうして、2位以下との差がどんどん開いていくのですね。
「儲かるものを作る」ことから始めよう
すなわち、最初に「儲かるものを作る」ことからスタートすることが、
とても大切だということです。
そのキーワードとして「差別化」や「競合にない強み」があり、
「よそと同じものなら作らない」「儲かっていない会社と同じことはしない」
「日本一(初)にこだわる」「常に考える仕組みづくり」
をしていると、下記の本でも触れられています。
・「日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”」
https://amzn.to/3K3PFPg
そして、この「差別化」「競合にない強み」を権利で保護するために、
大量の「意匠登録(デザインの特許)」をしています。
なかなかこの業界で意匠登録をすること自体が珍しいのですが、
未来工業は全企業の中で出願・登録件数の上位常連となっています。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2022/document/index/020211_12.pdf
(2021年度は第10位)
こうして高収益を維持することができたので、
福利厚生を充実させることができ、
マスコミが取り上げることで会社のPRにつながり、
良い人材も採用できて、
儲かるサイクルが出来上がっているのですね。
【サムライツ(R)】公式メルマガ(無料) | |
姓 * | |
名 * | |
メールアドレス * |