※2020年7月14日配信メルマガVol.80より抜粋(一部加筆修正あり)
成功する企業はデザイナーを重用している!?
近年、海外(主に米国)で成功した企業の特徴として、
共同創業者にデザイナーが入っているケースが多いです。
例えば、「YouTube」の共同創業者、Chad Hurley氏は、
元々「Paypal」のロゴをデザインした人ですし、
「Twitter」の共同創業者、Jack Patrick Dorsey氏は、
「第2のジョブズ」とも呼ばれ、「デザイン哲学を持った天才」として知られています。
「Airbnb」に至っては、3人の創業者のうち、Brian Chesky氏とJoe Gebbia氏の2人が、
米国最高の美大「RISD」出身のデザイナーです。
そうでない他のテック系企業でも、社内にデザイナーの占める比率は年々高まってきており、
「LinkedIn」では、2010年には、デザイナー1:エンジニア11だったのが、
2017年には、デザイナー1:エンジニア8になっていますし、
「IBM」なんかは、2012年にデザイナー1:エンジニア72だったのが、
2017年には、なんとデザイナー1:エンジニア8になっています。
デザイン会社はM&Aの対象になることも多く、
「Google」は、2011年にデザイン事務所「Mike&Maaike」を買収してから、
ウェブデザインが評価され始めましたし、
「Accenture」のようなコンサルファームも、
「Fjord」や「Droga5」といったデザインファームを買収しています。
成功する企業がデザインに力を入れる理由
これらの成長企業がデザインに力を入れているのは、なぜなのでしょうか?
それはひとことに
「顧客の体験価値を高めるため」
と言っていいでしょう。
すでに耳にタコができるほど聞いた言葉ですが、
今は「いいモノをつくれば売れる」時代は終わり、
「いい体験を提供するから売れる」時代です。
前者は「機能的価値」で、後者は「感情的価値」が求められます。
機能は良くて当たり前。
プラス、どのような感情を起こさせるか?
が求められているんですね。
そして、感情を動かす手段として、
商品やサービスのデザインが関係してくるのです。
世の中を見ていると、
同じようなモノであふれる「モノ余り」の状態が生じた時に、
デザインの価値が求められるようになることがわかります。
マスクの需要も変わり始めた
最近で言えば、「マスク」なんかがわかりやすい例ですね。
新型コロナウイルス感染症の拡大につれ、
普通の不織布のマスクを求めて並ぶ人が増えて、
品不足になり、市場では高価格で取引されました。
しかし、ひとたびマスクが行き渡れば、
普通のマスクはどんどん余り、
高く売っていた業者は、泣く泣く価格を下げ始めます。
代わりにデザイン化されたお洒落なマスクが台頭し、
今や若い人は、普通のマスクでは物足りず、
マスクで個性を表現し始めている現状です。
このように、同じようなモノが余り始めると、
その価値は下がり始め、
人々は、周りと違うモノ、
違う体験を提供してくれるモノを求め出すのですね。
その体験を作り出すための手段が、
「デザイン」なので、
海外の企業はデザインに力を入れているのです。
デザインの価値があまり重視されていない日本
日本では、まだまだデザインの価値が重視されていないなと思います。
その証拠に、日米欧中韓の5大特許庁の調べでは、
デザインの権利(意匠権)の出願件数で、
なんと、日本は最下位の5位(2018年の実績で年間3.1万件)なんですよね。。
(1位は中国で年間70万件、次いで欧州の10.8万件、韓国の6.8万件、米国の4.7万件です)
この件数の低さが、そのままデザイン力の低さに繋がってしまう気がします。
せっかく日本には、他国にはない精神性や文化、技術力があるので、
そこにデザインの力を高めていけば、もっと発展できると思います。
意匠登録の対象が増えました
そんなデザインの世界で遅れをとっている日本ですが、
今年の4月から、新たに「建築物」や「内装」、「画像」が、
デザインの権利である意匠登録の対象になりました。
https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/seidogaiyo/isyou_kaisei_2019.html
これまでは、自社の「建築物」や「内装」、「画像」に類似するものが出てきても、
特に主張できる権利がないか、せいぜい(相対的な権利で弱い)「著作権」ぐらいでした。
それが、このたび「意匠権」という強力な権利をとることができるようになったので、
特徴ある「建築物」や「内装」や「画像」のデザインを効果的に保護でき、
より商品やサービスの価値を高めることができるようになったのですね。
これからの時代は、
「デザインの力」を経営に取り入れ、
「意匠権」によりその価値を高め、
「顧客の体験価値」の向上に役立ててみませんか?
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