※2022年9月6日配信メルマガVol.192より抜粋(一部加筆修正あり)
京セラの稲盛氏が逝去
京セラの稲盛和夫名誉会長が先々週亡くなられたということで、
謹んでご冥福をお祈りいたします。
稲盛さんといえば、京セラの創業、KDDIの設立、JALの再建と、
数々の実績を作ってこられた偉大な経営者ですよね。
盛和塾という経営塾も立ち上げられて、
本もたくさん出されているので、
読んだことあるという方も多いのではないでしょうか。
私も、経営者の方に稲盛さんの本を(一方的に)プレゼントしたこともあって、
お会いしたことはないですが、勝手に慕っておりました。
「値決めは経営」
そんな稲盛さんの有名な言葉で、
「値決めは経営」という言葉があります。
「稲盛和夫の経営塾 Q&A 高収益企業のつくり方」という本に書いてあるのですが、
経営の原則は「売上を最大にし、経費を最小にする」
ことで、
売上を最大にするためには、値段の決め方が重要なポイント
であると。
商売の秘訣は、お客様が納得して、喜んで買って下さる最高の値段を見抜き、その値段で売ること
と言っているんですね。
https://amzn.to/3e96MmV
非常にシンプルな原則ですけれども、
ビジネスをやっているとわかるように、
これを考えるのが非常に難しいです。
特に形のないサービスは、価格と価値の関係が分かりづらいので、
値決めの基準が「同業者と同じぐらい」だったりします。
私も散々失敗してきました。
高いと思われて成約につながらなかったり、
逆に安くしすぎて、ほとんど利益が出なかったりと、
値段の決め方1つで、事業の生き死にが決まると言っても過言ではありません。
品質がわからないとき、人は「価格」で質を判断する
一方で、消費者は、商品やサービスの質がわからないとき、
どうやら「価格」で質の良し悪しを判断する場合があるようなんですね。
まず、商品・サービスは、経済学上「探索財」「経験財」「信用財」に分類されるそうです。
購入前に検索して、品質や価格を把握・評価するものが「探索財」、
購入して消費・体験することで品質を評価するものが「経験財」、
購入して消費・体験しても、その品質を評価しにくいものが「信用財」です。
このうち「探索財」の場合は「価格は節約するための情報として働く」と考えられるため、
価格で質の良し悪しが判断されているわけではありません。
一方、「経験財」「信用財」の場合は、
「価格・品質スキーマ」と呼ばれる、「価格と品質の関係における信念」の影響が強いと言われていて、
「価格の高い商品は、品質レベルも高いと消費者が知覚」している可能性が高いようです。
そして、その影響度は「経験財の場合の方が信用財の場合よりも大きい」と考えられています。
つまり、購入して消費・体験することで品質を評価するような商品やサービス(経験財)は、
価格が高いほど品質がいいものだと思われやすいのではないか?
との仮説が立てられるわけです。
※「情報としての価格 -商品および消費者特性 による影響-(青木道代 (著))」より
https://www.jstage.jst.go.jp/article/acs1993/3/2/3_2_97/_pdf
自分の商品は「探索財」「経験財」「信用財」どれに当たるか?
ということは、稲盛さんが言われるような
「お客様が納得して、喜んで買って下さる最高の値段」
で売るには、
上記3つの商品の特性のどれに当たるかを知った上で、
値決めすることが重要なのだと考えられます。
そしてできれば、
「経験財」「信用財」に該当するような
商品・サービスであることが望ましいですね。
以上をまとめてみますと、
「買ってみないとわからない」
「でもすごく欲しい」
「買ってみたら、とてもよかった」
と思えるような
商品・サービスを作り、
その見せ方を工夫し、
買ってもらえる最高の値段で売ることで、
「売上を最大にし、経費を最小にする」ことができるのだと言えます。
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