持続可能なブランドコミュニケーションをつくる
「サムライツ™」の弁理士、保屋野です。
“有名な商標をかたっぱしから出願して、
本来出願人となるべき企業や人に権利の買い取りを迫る警告書を送りつけることで、
法のグレーゾーンをついたビジネスを企てる元弁理士”
で毎度おなじみの「上田育弘」氏が、TV出演してたそうです。
「PPAP」の商標を無断で出願したとのことで、話題になったようです。
この人の言っていることは、”ある意味” 間違いではありません。
「とにかく先に出願した方が、最も早い出願人が勝つ」
のは、原則としてその通りなのです。
発明をした時点で、出願する前に「特許を受ける権利」がもらえる特許制度とは異なり、
商標制度では、出願して初めて「出願により生じた権利」が発生するのです。
「自分で商標を考えた」
「一番先に使い始めた」
だけでは、法的に “なんの権利もない状態” なのですね。
使って有名になったら、守ってもらえる可能性もありますが、
その場合は「有名であること」の客観的な証拠がたくさん必要です。
“自称有名” ではダメなのです。。
たまに「著作権があるじゃないか」という人もいますが、
このような短い文字に、そもそも著作権は発生してないと考えて間違いありません。
「思想又は感情を創作的に表現したもの」といえないからです。
こんな先取り出願に対抗するには、
自分が使用する、あるいは使用を予定する商標を、
誰よりもいち早く出願すること、
なのですね!
もちろん、
先に出願されてしまったからといって、
対抗措置がないわけではありません。
しかし、自社商標の権利化を早く確定させて、お客様や社員を安心させたいとか、
審査の対応等で無駄な費用やエネルギーを使いたくない場合には、
やはり先に出願するのが最善なのです。
3年ほど前から始まったこのような事態を
いい加減放置させるわけにいかないので、
早急なルールの改正、運用の変更が待たれますが、
よい気づきを与えてくれる問題ととらえて、
まずは自己防衛から考えるのが一番ですね。