結論から言うと、「似ている(類似)」と判断されています。
特許庁(審決)でも類似、知財高裁の判決でもその判断が維持されました(令和7年(行ケ)10068号)。
目次
何が争われた?(不服2024-4185 → 取消訴訟へ)
本件は、拒絶査定不服審判の請求棄却審決に対する取消訴訟です。
争点は、本願商標 「新世界ジーンズ」 と、引用商標 「新世界」 の類否でした(商標法4条1項11号)。
- 本願商標:新世界ジーンズ
- 引用商標:新世界
特許庁の判断:要部は「新世界」→ 引用商標と類似
審決は、本願商標「新世界ジーンズ」のうち、「新世界」部分を要部と認定し、引用商標「新世界」と類似と判断しました(不服2024-4185)。
裁判所の判断:審決と同じく「新世界」が支配的 → 類似を維持
知財高裁も、結論として類似を維持しました。理由づけは、ざっくり次の通りです。
- 「新世界」と「ジーンズ」は、不可分一体に強く結合していない
- 「ジーンズ」は、指定商品との関係で、商品の種別や原材料等を表示する語として自他商品識別力が弱い
- そのため、「新世界」部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与える(=要部になる)
- 結果として、本願商標と引用商標は類似
原告側は、「本願商標からは『シンセカイジーンズ』の一連の称呼のみが生じる」などを主張しましたが、採用されませんでした。
結論:「〇〇」vs「〇〇+商品名」は、類似と判断されることがあるので注意
今回の事件が示しているのは、「〇〇+商品名(または商品分野で普通に使われる語)」という形で出願しても、後半部分が弱く評価され、結局「〇〇」だけが要部として抽出される場合がある、ということです。
つまり、先行商標が「〇〇」で存在する場合に、
「商品名を足したから別物のはず」と思って出願しても、類似として拒絶される(あるいは争っても覆らない)リスクがあります。
最後に:迷う段階で相談しておくと、手戻りが減ります
「〇〇+商品名」で行けるかどうかは、
足した語がどれくらい一般的か、全体として一体に見えるか、指定商品・役務との関係はどうか、などで結論が変わります。
先行商標との距離感が微妙で判断が難しい場合は、出願前の“迷う段階”で一度確認しておくのが安全です。
出してから修正しようとしても、打てる手が限られることがあるからです。
サムライツ®︎知財事務所では、商標の類否判断だけでなく、出願全体を見たうえで
「通しやすい設計」と「通らなかった場合の打ち手」まで含めて整理します。
迷っている段階でこそ、ご相談ください。
