結論から言うと、商標“出願〜登録〜運用”の中心業務は弁理士の専門領域です。
弁護士がダメという話ではなく、目的が「登録を通して、権利として使える状態にすること」「商標を使って事業を安心して進めること」なら、弁理士に依頼する合理性が高いという整理になります。
目次
1. 弁理士は「特許庁手続の専門家」=商標出願のど真ん中
商標出願は、書類を出して終わりではなく、
- 先行商標との衝突リスクの見極め
- 登録可能性(識別力・拒絶理由)の読み
- 区分・指定商品役務の設計(広げすぎ/狭すぎ/不明確を避ける)
- 拒絶理由通知への対応(意見書・補正)
- 登録後の更新・不使用取消リスクを見据えた運用
まで含めて「特許庁とのやり取り」の連続です。
この領域は弁理士の主戦場(特に商標専門や商標を強みとしている弁理士)なので、
経験値の差がそのまま結果(通る/通らない、強い/弱い権利)に出やすいです。
2. 商標は「指定商品・役務の設計」で強さが決まる(ここが一番差が出る)
現場で一番多い失敗は、出願の“型”がズレることです。
- A)広げすぎて先行商標とぶつかり、拒絶や限定を迫られる
- B)狭すぎて登録できても、肝心の事業が守れない
- C)内容・範囲が不明確で商標法6条違反になり、拒絶→補正が要旨変更で詰む
弁理士は、ここを「審査官が理解できる言葉」「類似群や実務運用に乗る形」に落として、
かつ将来の事業拡張も踏まえて“効く指定”を設計します。
3. 拒絶理由対応は「反論の筋」と「補正の限界」を知っているかで決まる
拒絶理由通知が来たときに重要なのは、
- 反論(意見書)で押すのか
- 補正で逃がすのか
- その補正が要旨変更にならないか
- どこを削ると“権利として死ぬ”のか
という判断です。
弁理士は、商標審査の蓄積の中で
「通すための現実解」と「通しても使えない権利にならない線」を引くのが仕事なので、ここが強いです。
4. 「商標を取る」だけでなく、取った後の“実務”が続く
ブランドを守るのは、商標登録がゴールではなくスタートです。
- 使用態様(ロゴ変更・略称運用)と登録商標の整合
- 不使用取消への備え(証拠の残し方)
- 模倣・便乗が出たときの初動(差止め以前の現実的な手当て)
- 海外展開(マドプロ等)を含む出願戦略
弁理士は、出願実務だけでなく、商標の運用設計をセットで扱うことが多いので、
「登録後の困りごと」まで見据えた提案になりやすいです。
5. 弁護士に依頼した方がよい場面もある(役割分担)
逆に、弁護士の出番が強いのは例えばこういう場面です。
- 相手方との紛争が本格化(訴訟、仮処分、損害賠償など)
- 契約トラブル(ライセンス契約の紛争、代理店トラブル等)
- 不正競争や景表法、医療広告など周辺法令を含む争い
なので現実的には、
出願・登録・拒絶対応は弁理士、
争訟になったら弁護士(必要に応じて連携)
という分業が最も筋が良いことが多いです。
まとめ
商標出願で弁理士に依頼すべき理由はシンプルで、
- 特許庁手続の専門家である
- “通す”だけでなく 「強くて使える権利」になるよう指定設計できる
- 拒絶理由対応で 要旨変更の限界や審査実務の勘所を踏まえられる
- 登録後の運用まで含めて ブランド保護の設計図を引ける
からです。
もし「この名前で出して大丈夫?」「指定商品・役務の設計が不安」と感じたら、早めに一度プロに当てておくと安心です。
サムライツ知財事務所では、業歴20年以上の商標専門弁理士が登録可能性の見立て〜指定設計〜拒絶対応まで一貫してサポートしています。
まずは現状と今後の展開を伺ったうえで、無理のない出願方針をご提案します。
