商標は登録しないと使えない?その真実を弁理士が解説

商標は登録しないと使えない?その真実を弁理士が解説

「商標って、登録しないと使えないんじゃないの?」と感じる方もいるかもしれません。実際、法律上は未登録の商標でも使用できます。しかし、安心して使い続けるためには登録による保護が不可欠です。

この記事では、未登録商標のリスクと、そのリスクにどう対処すべきかを弁理士がわかりやすく解説します。


1. 登録前でも商標は使える?結論から言うと…

日本では法律上、商標登録をせずとも、他人の商標権を侵害しない範囲で使用できます

ただし、未登録のまま使用していると、他者が先に登録してしまうことがあり、そうすると警告や差止め、損害賠償などのリスクが突然降りかかります。


2. 先に使用していれば大丈夫?“先使用権”という例外

商標法第32条には「先使用権」という制度があります。他人よりも早く正当に使っていて、かつ一定の周知性がある場合は、その使用を継続できる権利を得られるとされています。

※参考記事↓

商標の先使用権を徹底解説──商標の使用を“後から”守る最後の盾
長年商標を使ってきたけど、他社が同じ名称を出願・登録し、ある日突然警告状が届いた――そんなとき “先使用権” が成立すれば、使用を続けられる可能性があります。た…
samuraitz.com

しかし、この先使用権の要件は非常に厳しく、立証もなかなか難しいです。


3. 未登録でも保護される方法はある?

不正競争防止法では、商標登録されていなくても、消費者の間で広く認識されている(周知性)ことを条件に保護を認めるケースがあります。

しかし、これも簡単ではありません。地域限定でも「周知性」が認められる事例はあるものの、証明のハードルは高いです。


4. 未登録で使うリスクまとめ

項目詳細
登録による保護がない先に登録されたら対抗できない
先使用権は例外で困難周知・使用証明の負担あり
不正競争法による保護も限定的周知性の証明が求められる

まとめ:安心して使うなら「登録」がベストな選択

未登録でも使うこと自体は可能ですが、第三者による先取登録や権利侵害・差止め請求などのリスクがあります。先使用権や不正競争法での保護も、条件・証明が厳しいため万能とは言えません。

商標を本気でブランド化し、リスクを排除したいなら、登録に進むことが最も安全で戦略的な一手です

当事務所では、事業の実態や展開予定に合わせた商標戦略のご提案・出願サポートを行っています。
「未登録のまま使い続けていて不安…」「どうすれば安全に商標を守れるか知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。