公募でネーミング募集する際の2つの注意点

公募でネーミング募集する際の2つの注意点

※2022年8月2日配信メルマガVol.187より抜粋(一部加筆修正あり)

大阪・関西万博の公式キャラは「ミャクミャク」

7月18日に、大阪・関西万博の公式キャラクターの愛称が
ミャクミャク」と決定されたことが発表されました。

公式サイトによると、ミャクミャクは、
デザイナーで絵本作家の山下浩平さんがデザインした
「細胞と水がひとつになったことで生まれた、ふしぎな生き物」。
https://www.expo2025.or.jp/overview/character/

愛称は、公募により川勝未悠さんと作田陽向さんの案が選ばれ、

  • 人間のDNA、知恵と技術、歴史や文化が「脈々」と受け継がれてきた
  • 赤色と青色が動脈と静脈を連想させた
  • 人類文明のつながりや、国際的なつながりを、「」という言葉で表せられる

といった意味合いがあるそうです。

ネーミング公募の2つの注意点

こういった公募でネーミングを募集する際に注意すべき点が2つあります。

①よくない意味の言葉でないか

1つは、よくない意味の言葉でないかどうかです。
特に外国語でどんな意味にとられるかは、
馴染みが薄い分、慎重にチェックすることが求められます。
ましてや、万博のような国際的なイベントに使う名称なら尚更ですね。

有名どころの例でいうと、
飲料の「カルピス(CALPIS)」は、
英語圏では「CALPICO」に名称変更して販売されています。

本来は、「カルシウム」の「カル」と、
サンスクリット語の「サルピス」からとった言葉ですが、
英語圏では、「カウピス」=「牛のおしっこ(cow piss)」に聞こえるらしく、
飲料のイメージとして適していないためです。

また、もしかすると、海外における政治や宗教上の言葉など、
センシティブな単語を用いてしまっているかもしれません。

このように、日本語では問題ない言葉でも、
海外では違う意味に捉えられてしまう可能性(逆もまた然りですが)があるので、
注意したほうが良いでしょう。

②商標の問題がないか

もう1つの注意点は、商標の問題がないかどうかです。
決定したネーミングが商標登録されていた場合は、
使用にあたって、商標権者から許可をもらう必要が生じるか、
最悪の場合使えなくなってしまうからです。

また、商標登録されていなかったとしても、
国内外でよく知られた商標だったとしたら、
やはり使用することを避けたほうが無難です。

商標調査のタイミングに注意

そうならないよう、
「ネーミングの決定・公表以前」に
商標調査が必要
になります

調査結果が出る前にネーミングを公開してしまうと、
それをパクって商標出願する人が出てくるかもしれないからです。

私もこの手の公募のネーミングやロゴマークの
決定前の商標調査を担当したことがありましたが、
必ず候補がまだ複数ある段階で調査しています。

「意匠登録」もしているミャクミャク

余談ですが、ミャクミャクのキャラクターデザインについては、
商標登録・出願(登録第6413542号、商願2022-021181)だけでなく、
意匠登録(登録第1687581号)もされています。

こういう画像で意匠登録は珍しいのですが、
令和2年法改正により、アイコン画像も意匠登録できるようになったことに伴い、
こうした事例も出てきました。

ということは、ロゴなどの画像の場合、
事前の調査は商標だけでなく意匠についても行う必要がありますね。

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