※2020年3月24日配信メルマガVol.64より抜粋(一部加筆修正あり)
資格ビジネスと商標の関係
個人事業と相性の良い商標登録の活用法といえば、
「資格や認定を生かしたビジネス」の展開が挙げられます。
何かしらのスキル、テクニック、知識、ノウハウを持っているとして、
それを学びたい、教えてもらいたい、という人がいれば、
それを教えて資格や認定を付与するビジネスが成り立ちます。
例えば、「野菜ソムリエ」とか「臨床心理士」、
「インテリアコーディネーター」、「相続診断士」等。
これらの資格等の名前については商標登録されていて、
認定試験に受かるなど、所定の条件を満たした人にだけ、
その資格名を用いることができることにすることで、
そのスキルの高さ等を保証するわけです。
そして、提供している内容に需要があれば、
その商標(資格名)を目印に、多くの人が集まります。
広告宣伝や口コミ等で顧客が広がるのですね。
これを発展させると、いわゆる「協会ビジネス」ができます。
自分が直接教えるのではなく、
創設者として、運営体制を整える側に回り、
認定講師には教える権利を与えるのです。
(もちろん、創設者自身が教えても良いですが、
その場合は他の講師と内容・価格等において差をつけることが大事です)
資格ビジネスのポイントは「教えたい人」を育てる仕組み
「資格や認定を生かしたビジネス」のポイントはここにあります。
つまり、「教わりたい人」ではなく、「教えたい人」を育てるのですね。
「教わりたい人」は、教わったら満足していなくなってしまいます。
自分で集客しなければなりません。
でも、「教えたい人」は、そのスキル等の向上に余念がないし、
彼ら自身がお客を連れてきてくれます。
もちろん「教わりたい人」が圧倒的多数なのですが、
「教えたい人」は少数でもいるので、
この「教えたい人」たちを育てる仕組みを作ることが大切なのです。
教える人(講師)のメリットを考える
「教えたい人」を育てる、と考えた場合、
「教えるメリット(講師のメリット)」がなければなりません。
例えば、
・やりがいや満足感、教えること自体の喜び
・講師自身のスキルアップ
・講師のブランディング
・就職先や派遣先の紹介
・顧客や取引先の紹介
・マーケティング支援
・納得のいく報酬
・物販などの販売権の付与
・講師どうしのネットワークや絆の構築
・その他サポート・フォロー体制
等です。
“これらのメリットを得る条件”として、登録した商標を使ってもらうのですね。
資格ビジネスでよくあるトラブル
「資格や認定を生かしたビジネス」で1つありがちなトラブルとしては、
創設者のところで学んだ人たちが、
創設者のものではない独自の商標を使用して、
勝手に似たようなビジネスを始めてしまうことです。
創設者のところで学んでいったのに、
独自の商標を使って、
あたかも独自で開発したかのように振る舞われたら、
頭にきますよね。
そこで、「法律違反でなんとかできないか」と相談されるのですが、
残念ながら、相手の使っている商標が、
自分の登録商標と似ていなければ、
商標権侵害を訴えることができないのです。
不正競争防止法で訴えることも、なかなか難しいでしょう。
せいぜい、認定講座の時に規約を作って同意を得ておいて、
その規約違反を訴えることが考えられますが、
その効果はたかが知れています。
資格ビジネスのトラブルの原因は?
結局はこのトラブルの元は、残念ながら、
上述の「講師のメリット」を提供できていなかったから・・・と言わざるを得ません。
あるいは、コミュニケーション不足という原因もありそうです。
もし、メリットが十分なら、そこを離れようとはしないはずですし、
独立心の強い人でも、よっぽどコミュニケーションが破綻していない限り、
一言挨拶しに来るとか、「その創設者のところで学んだ」ことをちゃんと明記してくれるとか、
何かしら失礼にならないようなやり方で進めるように思います。
じゃあ商標権って意味がないのか?
そう思われるかも知れませんが、
そもそも商標権がなければ、その商標を使うのは誰でも自由なのだから、本末転倒です。
いろんな似たような講座等で、同じ商標で使われたら、
大多数を占める「あなたに教わりたい人」が、間違えて他のところに行ってしまう可能性があるのです。
これでは、「教えたい人」にとってもなんのメリットもないですよね。
商標は、あくまで道案内のためにあるのであって、
顧客をつなぎ止めるのは、
メリット=価値の作り込みの方にあるのではないでしょうか。
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