登録料の支払い方法は2種類

登録料の支払い方法は2種類

2021年6月24日

こちらのブログ内容は、音声で聞くこともできます。
https://stand.fm/episodes/604846a552e33e87190ddb0e

今回の話は、商標登録に関心ある人向けになります。

こちら↓の記事でも解説しましたが

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商標出願をして、審査された結果、無事に”登録OKの判断”、
つまり「登録査定」という判断が出ると、
それですぐに商標登録されるわけではありません。

一定の期間内に登録料を納付することで、
やっと商標登録されます。
商標登録されると、商標権が発生するわけですね。

★登録料の支払い方法は2種類

それで、この「登録料」の納付には、
2種類の納付方法があるのをご存じでしょうか?

1つ目は「一括納付」です。
商標権は、10年間の権利になりますので、
この一括納付をすることで、10年分の権利が発生するということになります。

2つ目が「分割納付」です。
この分割納付は、5年ごとに分割して登録料を納付できる制度です。
商標と一口に言っても、いろんな商標があります。
長期間にわたって使用することを前提としている商標、
例えば、企業名の商標(俗にいうハウスマーク)のような息の長いものもあれば、
短期間しか使用しない可能性のある商標、
例えば、ライフサイクルの短い流行に左右されそうな商品やサービスの商標もありますよね。

この場合に、分割納付で前期の分を納付をすることで、
登録から5年経ったけど、もう使用していないよという商標については、
後期分を納付せずに、権利を消滅させることで、
無駄な費用や管理のコストをかけずにすむ、というわけです。

また、起業したてでコストがかけられない場合に、
初期費用を抑えるために分割納付を選ぶこともあります。

★分割納付の注意点

もちろん、5年経過した後も使用を継続したい場合は、
後期分を払えば、最後まで権利を保持することができます。

ただし、登録料を前期と後期で分割納付した場合のトータル金額は、
一括納付した場合の金額よりも割高となりますので、ご注意ください。
一般的な分割払いのイメージと一緒ですね。

一括の場合は、1区分あたり28,200円なのに対し、
分割の場合は、1区分あたり16,400円×2=32,800円です。
1区分につき4,600円ですね。
これにプラス、弁理士に依頼した場合は、その手数料がかかることがあります。

★「5年」しか提示しない特許事務所に注意

よくある格安系の特許事務所では、
5年の分割納付だけを提示しているところもあるかと思います。

しかし、これは価格表示のテクニックでやっているんですね。
ぱっと見の価格を抑えるためだったり、
「後期分納付しますか?」とお伺いする機会を得て、顧客接点を増やすためだったり、
トータル的に自分の事務所に手数料が多く入るようにするためだったりします。

決して5年しか選べないわけではありませんので、
その点はくれぐれもご注意ください。

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。