・「考える力をつける3つの道具」(岸良 裕司 (著), きしら まゆこ (著))
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手詰まり感のある問題を、たった3つのツールでスッキリ整理し、解決に導く思考法を楽しく学べる一冊です。
本書の内容
本書が扱うのはたった3つの「道具」:
- ブランチ:原因と結果を因果関係で整理し、問題をすっきり俯瞰する思考のハシゴ。
- クラウド:板挟みとなりやすいジレンマ構造を、「あちらを立てればこちらが立たず」の見える化で解消。
- アンビシャス・ターゲットツリー(ATT):夢や目標実現へ向けた道筋と障害をツリー構造で整理。やるべきことが明確になります。
イラストや童話(ウサギとカメ、アリとキリギリス)が登場し、抽象的な思考法を身近な世界で体感できる構成になっている点も特徴です。
著者・岸良裕司氏はTOC理論(制約理論)で知られる実務家で、子どもからCEOまで使える奥深さが、本書の普遍的な魅力につながっています
読んで感じたこと
イラストも使われていて、最初は子供向けの本なのかな?とも思いましたが、思考力を身につけたい社会人向けの本だと感じました。たった3つの手法を使うだけで、かなり考えがスッキリするので、すぐにでも使いこなしたくなります。
- ブランチ…ごちゃごちゃをスッキリさせる効能。問題の因果を整理する過程を通じて、思考の迷子から自分を救ってくれます。特に、ブランチを使って失敗を学びに変える「ミステリー分析」が秀逸でした。問題から原因の特定を行い、原因の解消策を導き出すステップが、まさに謎解きをしているようで快感です。問題解決だけでなく、新技術の発明やブレイクスルーも、ブランチを使うことで実現できます。
- クラウド…モヤモヤを解消する効能。対立する行動に板挟みになった場面で、冷静に選択肢を俯瞰できます。一見対立している行動も、何らかの共通の目的があり、そのための要望がそれぞれに存在する ことを明確にする流れが爽快です。「あちらを立てればこちらが立たず」のジレンマで、ついあきらめそうな場面でも、クラウドを使うことで落ち着いて整理でき、対立構造の思い込みを解消できそうだと感じました。
- アンビシャス・ターゲットツリー…目標に立ちはだかるどんより感を吹き払う効能。あらかじめ障害を考えておくことで、目標達成の道筋を導くことができます。「WOOPの法則」という心理学者が体系化した目標達成の方法にも似ており、「目標→障害→中間目標→行動」に落とし込むことで、自然と動きたくなる構造に。
誰もが知っている童話をベースに話が展開されていて、日常で使えそうなレベルにわかりやすく理解できました。
こんな方におすすめ
- 問題に一人で迷いがちな方(ビジネス現場・家庭どちらでも)
- 「考えること」に苦手意識を抱えている人、あるいは思考を習慣化したい人
- ロジカルシンキングの入口として、柔らかな学びを求めている人
- 経営者・保護者・教育者など、教える立場で使いやすいメソッドを探している人
“考える”ことは本来、頭が疲れるよりもむしろワクワクする作業なんだ、とこの本を通じて気づかされました。
説明的すぎず、楽しく取り組むことのできるこのツールセットは、思考の入口として最強の一冊です。手に取る前と後で、自分の世界が確実に変わる、そんな力を秘めています。
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※サムネ画像は「Amazon.co.jp」の商品ページから引用