センスメイキング――本当に重要なものを見極める力

センスメイキング――本当に重要なものを見極める力

・「センスメイキング――本当に重要なものを見極める力
(クリスチャン・マスビアウ (著), 斎藤 栄一郎 (翻訳))
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IT至上主義の下では、STEM(科学・技術・工学・数学)教育が重視されがちですが、
エグゼクティブクラスの人やイノベーターは、むしろ人文科学系の教育出身であることが多いとのこと。
ある文化的な知を獲得するには、自分が持っている先入観や前提を捨てて
自分の知性・精神・感覚といった「人間性」を持って世界を理解することが必要なのだと、筆者は述べます。
そして、人文科学に根ざした実践的な知の技法のことを、「センスメイキング」と名付けています。

例えば、スターバックスは、最新機器の導入や効率的なサプライチェーンといった、
技術と定量分析も成功の一つの要因ですが、
価値の核となる部分は、「南欧のコーヒー文化を米国人の生活に合わせて取り入れたこと
にあります。
創業者ハワード・シュルツ氏は、
直感的にイタリアの言葉や文化に親しもうとひらめいて、イタリアへ渡り、
イタリア流の伝統的なカフェ「バール」で学んでから、スタバを立ち上げたのですね。
スタバのドリンクのサイズ名が、英語(ショート,トール)とイタリア語(グランデ,ベンティ)が混ざっているのも、
そういった背景があるのでしょう。

この本は最終的に、「人は何のために存在するのか」という問いにたどり着きます。
かなり明白に答えを出しているのですが、何だと思いますか?
これは実際に読んでいただいた方がいいかもしれません。

データやアルゴリズムは、
唯一の頼みの綱として依存するものではなく、
人文科学的なものの見方や人間だけに与えられた特性こそ、
大事に活かしていく方がいいぞと思える一冊です。

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