※2023年12月26日配信メルマガVol.260より抜粋(一部加筆修正あり)
小さな会社を「仕組み化」するための順番
先日、『小さな会社の「仕組み化」はなぜやりきれないのか』という書籍を出版された
HOPグループ小川実代表(税理士)の出版記念セミナーに出席いたしました。
(著書はこちら↓)
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その名の通り、社員30名以下の小さな会社を
どうやって組織化・仕組み化していくのか、
会社を成長させるために必要なステップとは?
について、著書の内容を元に解説していました。
小川さんによれば、経営の仕組みは
①ビジョンの言語化、中長期計画、評価制度と賃金制度の作成による「成長の仕組み」が土台にあり、
その上に
②ビジネスモデル、商品・サービス開発による「事業の仕組み」、
さらにその上に
③管理、効率化、標準化による「作業の仕組み」が乗っかる、
ピラミッド構造になっているとのこと。
そして①でいう、
ビジョンの言語化→中長期計画→評価制度と賃金制度の作成
の順番で取り組むことで、
小さな会社の仕組み化ができていくのです。
長年税理士業務や経営コンサルティングで、
多くの会社さんを見てこられた知見がたくさん詰まった内容でした。
ただし、あくまですでに会社として社員が数人いて、
これから組織力で事業を拡大していく経営(レバレッジ経営)のための方法なので、
個人の専門能力を活かして事業を維持する経営(エキスパート経営)にそぐわない点は、
この著書でも最初に指摘されています。
「売れる仕組み」の後に「売れ続ける仕組み」を構築する
さらに私個人が思うのが、
著書で言われている組織の仕組み化は「売れ続ける仕組み」のことであり、
その前に商品やサービスが「売れる仕組み」の構築が必要であるということです。
「売れる仕組み」は、
ビジネスモデル→マーケティング→セールスの順で成り立ちます。
これがあって初めて会社にお金が残るので、
人の採用などの「売れ続ける仕組み」に移行することができるのです。
そして「売れ続ける仕組み」は、
採用→教育→環境整備→システム導入の順で成り立ちます。
いい人材を採用し、いい人材を教育でさらに伸ばし、
いい人材が働き続けやすいよう環境を整備(評価制度と賃金制度も含まれる)し、
いい人材の力を効率的かつ最大限に引き出すITのシステムを導入するのです。
それにより、「売れる仕組み」を回し続ける
「売れ続ける仕組み」を構築することができるのですね。
そして、よく採用の失敗は教育では取り返せないなどと言いますが、
同じように、「売れる仕組み」の失敗は「売れ続ける仕組み」では取り返せないと言えます。
順番が重要なのですね。
「売れる仕組み」が古いとやがて滅びる
したがって、「売れ続ける仕組み」を構築した後も、
「売れる仕組み」の検証は大切です。
企業の倒産事例を見ると、
経営環境が変わったのにビジネスモデルが古いままであったことが多いです。
よく挙げられる事例としては、
世界最大の写真フィルムカメラ用品メーカーだったコダックが、
デジタルカメラ台頭の波に乗り遅れ、2012年に倒産した事例です。
実は世界初のデジカメを発明したのはコダックだったのですが、
主力のフィルム市場を手放せず、市場とともに衰退してしまいました。
その対比として挙げられるのが富士フイルムで、
フィルム事業で培った事業を活かして化粧品事業に参入し、
「アスタリフト」という商品で大ヒットを飛ばしました。
なかなかこのような決断と実行は大変ではありますが、
変化の激しい時代だからこそ、
これまでの成功体験にとらわれることが命取りになります。
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