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※2022年5月10日配信メルマガVol.175より抜粋（一部加筆修正あり） 事業が波に乗ってきたところで、商標権侵害の警告を受ける ビジネスがうまく行き始めると、それに伴って商標についてのリスクも大きくなってくるものです。 例えば、2015年に千葉県で創業した、小中高校生向け学習塾「HIGH-STARS個別指導学院」。https://high-standard.jp先生1人に対し生徒2人という、完全担任制の個別指導を行い、子どもの個性や得意不得意を一人ずつ細かく把握して、きめ細やかに指導しつつ、1人に解説する間に、もう1人には演習をさせるという、効率の良い指導を特徴とする塾です。現在は千葉、東京、神奈川、兵庫の合計12教室に拠点を広げています。 同社は「株式会社HIGH-STANDARD＆CO.」という社名で、元々は「HIGH-STANDARD」という塾名で創業して、2017年まで使用していました。 ところがある時、類似の商標権を持つ他社から、「商標を使用するな」と警告がきてしまったんですね。 名称変更で余計なコストを支払う羽目に 当時すでに6教室も運営していましたが、泣く泣く看板を掛け替えることにし、2017年12月1日から、現在の塾名としてリニューアル開校しました。 現在、この塾は成功されていますが、看板の掛け替えから、各種媒体での表記変更など、かなりの出費を強いられたのではと想像します。 いくら商品・サービスが良くても、マーケティングが上手くても、「商標に関する認識」が甘いだけで、余計なコストが発生し、そのアドバンテージを無にしてしまうどころか、下手すれば経営を圧迫しかねません。 当初は問題が起きなくても、後から問題になることも ちなみに、商標情報を見た限り、警告してきた会社は、おそらく著名な音楽グループ「Hi-STANDARD」の会社だと思われます。 その理由は、90年代から長年活動してよく知られたグループなのに、それまで商標登録がなく、こちらの塾が創業した後の2017年に、急に商標出願を3件もしているからです。同塾は、進路指導ツール名として、同音楽グループのアルバム名「Making The ROAD」という名称まで使っていたため、同音楽グループは危機感を感じて、権利を守ろうとしたのでしょうね。 使い始めた当初は問題が起きなかったとしても、後から問題になることもあるので、注意が必要です。 できるだけ早く、事業の節目で先行商標調査をしよう いずれにしても、ビジネスを始める段階、本格的に拡大していく段階、広く知られ始めた段階、類似の商標を発見した段階、新規ビジネスを始めた段階、のそれぞれにおいて、先行商標登録の有無を調査することは重要です。 特に、今回の学習塾のような、リアル店舗を持つビジネスや、小売店やネット通販などで商品を販売するビジネスなどは、商標を変更するコストが大きくなってしまいます。 「これでいこう」と決めた商標（ネーミングやロゴ）を変更するのは、なかなか気が進まないと思いますが、変更するなら、なるべく初期段階の「損失が小さいうち」が望ましいです。 そのためにも、できるだけ早い、ビジネスを始める段階での商標調査は必要ですね。 商標調査を検討の際は、ぜひご相談ください。

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