※2019年10月22日配信メルマガVol.42より抜粋(一部加筆修正あり)
中国の弁理士が来所されました
先週、中国の弁理士(専利代理人)が弊所に来訪されました。
いつも、中国や香港への商標出願を依頼している関係で、
わざわざご挨拶に来てくれたのです。
(とても穏やかな人柄で、日本語もペラペラ!)
私が独立する前の2011年からの付き合いで、
その頃は事務所を立ち上げたばかりだと言っていました。
今や50人を超える大所帯になったそうで、
彼の素晴らしい努力と、同時に、
中国の知財分野におけるめざましい成長スピードを、
感じずにはいられませんでした。
特許・商標出願数ダントツトップの中国
こちら↓の記事にもあるように、中国は、特許や商標の出願数では、圧倒的にトップです。
「2018年の世界特許出願、中国が半数近くを占め圧倒的トップ–2位米国と3位日本は減少」
https://japan.cnet.com/article/35144107/
その中には、もちろん他者の知財の模倣によるものも含まれていますが、
中国は国家戦略として「権利者保護」思想に切り替え、今や日本・米国をしのぐ「知財立国」となっているのです。
中国では、1983年に商標制度が、1985年に特許制度が誕生したことを考えると、まさに爆速ですね。
中国がAI時代に爆速成長する理由
中国は、超合理的な国だなあと、つくづく思います。
欧米からは、経営や知財戦略、ビジネスモデルを学び取り、
日本からは、現地工場や下請けの形で技術を学び取り、
これらを自国の豊富な資源と、豊富な労働力で生かすことで、
飛躍的に発展してきました。
それから、知的財産そのものの購入やライセンスによって、収益性をさらに高め、
今は、AIをベースにあらゆるリアル活動をデジタル化して、
「データ」という名の「広い意味での知的財産」を、世界一有効に活用しています。
これからのAI化時代では、いかにデータを蓄積するかがカギになると思いますが、
民主国家ではなかなかできない、個人データの取得を、国家ぐるみでやれてしまうのは脅威です。
既存の社会インフラが整備されていない新興国において、
新しい商品・サービス等が、先進国が積み上げてきた技術の発展を飛び越えて一気に広がることを、
「リープフロッグ型発展(リープフロッグ現象)」などと言いますが、
いち早くキャッシュレス化が普及した中国も、
まさにその典型例ではないでしょうか。
爆速出店する「ラッキンコーヒー(瑞幸咖啡)」
カフェ好きな私が、中国で行ってみたいコーヒーチェーンの中に、
「ラッキンコーヒー(瑞幸咖啡)」があります。
ここは、専用アプリで商品を注文すると、
お店から出来上がりの通知が来て、
お店に取りに行ったら、
スマホ上で決済して、商品を受け取る仕組みになっています。
配達してもらうこともできます。
大型店(リラックス店)や配達店(デリバリーキッチン店)よりも、テイクアウト店(ピックアップ店)が中心です。
すごいスピードで出店拡大しており、
中国国内で3600店舗を構えるスターバックスコーヒーを超える勢いだとか。
「サードプレイス」がコンセプトのスタバとは全く異なるコンセプトなので、単純な比較はできませんが、
スタバが17年かけて到達した店舗数に、わずか1年で追いついたというのだから驚きですね。
創業2年の今年、NASDAQにも上場しています。
スタバより安いし、クーポンとかの販促や広告宣伝もガンガンやっているおかげか、
創業以来黒字になったことがないそうです。
採算度外視で、とにかく先行投資をして、爆速で成長させるということですね。
中国は、人の知財を平気でパクる連中も多いのですが、
あの爆速発展から学べることは、とても多そうです。
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