「入口専用・出口汎用」の法則――クックドゥに学ぶパッケージ戦略でロングセラー化

「入口専用・出口汎用」の法則――クックドゥに学ぶパッケージ戦略でロングセラー化

※2025年4月8日配信メルマガVol.327より抜粋(一部加筆修正あり)

「何にでも使える」は「何に使ったらいいのかわからない」

スーパーで買い物をしているとして、
「何にでも使える」と書いてある調味料と、
「炒飯、スープ、肉野菜炒めに使える」と書いてある調味料、
あなたならどちらを選ぶでしょうか?

おそらく多くの方は、
後者の「炒飯、スープ、肉野菜炒めに使える」と書いてある調味料を
選ぶのでは無いかと思います。

よほど料理に詳しい人でない限り、
「何にでも使える」と言われると、
かえって「何に使ったらいいのかわからない」
ものです。

したがって、具体的な使い道をイメージしやすく表現する必要があるのですね。

使い道を示したら売れた「クックドゥ」の「香味ペースト」

味の素の「クックドゥ」シリーズの「香味ペースト」も、
最初は「何にでも使える」とうたっていたものの、
あまり売り上げが伸びなかった
そうです。

そこで、冒頭のように「炒飯、スープ、肉野菜炒めに使える」と
具体的な使い道を示したところ、
売り上げが伸び始めロングセラーになった
のだとか。

スーパーに訪れた消費者の頭の中を想像してみると、
冷蔵庫の中と買い物かごの中身を見ながら、
「あれとこれがあるから、今日は炒飯にしよう」
などと考えるでしょう。

そんな時に「香味ペースト」のパッケージを見て、
何にでも使える」と書いてあったら、手に取るでしょうか?
取らないですよね。
やはり「炒飯に使える」と書いてあるから手に取るわけです。

そして、実際に使ってみると、
炒飯、スープ、肉野菜炒めのみならず、
いろんな料理に使えることがわかります。

こうして消費量が増えてリピートするから、
売り上げが上がるのですね。

「入口専用、出口汎用」の法則

この考え方を、味の素のマーケティング担当者が
入口専用、出口汎用」と表現していました。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01114/00004/

つまり、入口となるパッケージには、
具体的な料理の専用品として見せ
つつ、
出口となる使用シーンでは、
様々な料理に使える汎用品として活躍
するということですね。

「めんつゆ」も「WD‑40」も「GoPro」も「入口専用、出口汎用」

この考え方はいろいろな事業でも使われていて、
例えば、身近なところでは「めんつゆ」なんかがそうですね。
「そば・うどん用のつゆ」であることを大きく表示しつつ、
煮物・丼物・炒め物の味付けとしても活躍しています。

具体的なブランドで言えば、
例えば「WD‑40」は、元々は宇宙ロケットの部品の防錆・除錆剤として開発された製品でした。
しかし今では、様々な分野や用途に使われており、
公式サイトに は2,000以上の活用例(潤滑・湿気除去・耐腐食・シールはがし等)を掲載しています。

また、アクションカメラの「GoPro」も、
元々は「サーフィンを自撮りできるカメラ」として発売されましたが、
スキーやダイビング、モトクロスにVlog、
さらには企業PRにまで使われていて、
「体験共有デバイス」へと進化しています。

このように、入口を絞って
専用の使用シーンをイメージできるように
わかりやすく示し
つつ、
出口で様々な活用事例を紹介していくと、
手に取りやすく、リピートもしやすいため、
消費量が増えて売り上げも上がるのではないでしょうか。

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