※2024年12月10日配信メルマガVol.310より抜粋(一部加筆修正あり)
「TTP」とは?
ビジネスの世界では、よく「TTP」という言葉が用いられます。
「TTP」とは、
「徹底的にパクる」のことで、
すでに成功している他社の事例をとにかく真似て、
自社に採り入れることを言います。
これにより、0からうまくいく方法を考えてトライアンドエラーを繰り返していくよりも、
効率的に事業を進めることができ、
なおかつ成功率も高めることができるという考え方です。
成功事例をパクることはとても重要ですし、
その成功事例も、何かの成功事例からヒントを得ていることが多いので、
意識的に取り組む方が良いと思います。
単に「徹底的にパクる」ことのリスク
しかし、ただパクればいいのかというと、
そういうわけでもありません。
やはり、他社の事例がそのまま自社に当てはまるわけでもないし、
二番煎じでうまくいくとは限りません。
当然ですが、特許や商標、意匠や著作権などの知的財産権がある部分を真似したら、
権利侵害になってしまう恐れがあります。
「TTP」より「TTBP(徹底的に分析してパクる)」
そこで、
「TTP(徹底的にパクる)」ではなくて
「TTBP(徹底的に分析してパクる)」
ことが大切になります。
では、成功している他社の何を「B(分析)」すればいいのでしょうか?
それは、「不平不満」です。
どんなに売れている商品・サービスであっても、
お客さんは何かしらの不平不満を持っているものです。
全てのお客さんが100%満足ということは考えられません。
そこで、そんな不平不満を解消してくれるような商品・サービスができれば、
元々売れてた商品・サービスと比較して選ばれる可能性が高いです。
価格で差をつけるとさらに売れる
この時に、パクリ元の売れている商品・サービスより
価格を下げて売るとさらに強力です。
選ばない理由がなくなるからです。
例えば、パーソナルトレーニング事業の「24/7ワークアウト」は、
すでに大成功していた「RIZAP」をパクって上場まで果たしました。
顧客ターゲットが同じ、サービスの提供の仕方も同じ、
広告やウェブサイトの見せ方まで同じ。
徹底的にパクったのですね。
ただし、もちろん丸パクリというわけではありません。
「価格が高い」という「RIZAP」の不平不満を解消すべく、
価格を安くしました。
その代わり、「RIZAP」に比べると
店舗の立地が駅から少し離れた場所だったり、
内装も安上がりだったりします。
ここは、「痩せたい」「筋肉をつけたい」顧客にとって
そこまで優先順位が高くなかったのですね。
また、「RIZAP」が23時までなのに対して、
「24/7ワークアウト」は24時までと1時間長くしています。
仕事が忙しい人にとってはありがたいでしょう。
ちなみに、「RIZAP」が「RIZAP GOLF」というゴルフ事業を始めれば
「SWING24/7」というインドアゴルフ練習場を、
「RIZAP」が「Rizap English」という英語事業を始めれば
「24/7English」という英語コーチング事業を始めていて、
やっぱりビジネスモデルが違っていたり、
価格が安くなっていたりしました。
このように、成功した企業をパクるのはいいのですが、
その際に「不平不満」を探して分析し、
それを解消するような商品・サービスを打ち出せると、
より成功確率の高い事業を立ち上げることができます。