「ぬいぐるみ病院」に学ぶ、大手が絶対真似できない世界観マーケティング

「ぬいぐるみ病院」に学ぶ、大手が絶対真似できない世界観マーケティング

※2024年11月5日配信メルマガVol.305より抜粋(一部加筆修正あり)

大手が真似できない!?「ぬいぐるみ病院」

中小企業が新しくビジネスを立ち上げるときは、
大手企業の参入をいかに回避できるか
という点もポイントになってきます。

そう簡単に見つかるわけではないのですが、
大手が真似できていないビジネス
の事例を見ることで参考になることがあります。

例えば、ぬいぐるみの修理を行う
ぬいぐるみ病院
をご存知でしょうか?
https://nuigurumi-hospital.jp/index.html

「病院」と名がつく通り、
ただ単にぬいぐるみの修理を行うだけではありません。

ぬいぐるみを命ある存在として迎えて、
本当の病院で治療しているかのようにサービスを提供しているのです。

他社を寄せ付けない世界観の作り込みがカギ

上記のウェブサイトを見てもわかるように、
その世界観の作り込みは圧巻!

「ぬいぐるみ病院」の表記の上に、
まるで医療法人かのように
ぬいぐるみ健康法人 もふもふ会
という組織名をつけています。

また、「院長からのごあいさつ」というページがあり、
「盛富小路(モフのこうじ)けろーにょ」という名のぬいぐるみが
院長としてメッセージを寄せて
います。

「当院の職員一覧」も全員ぬいぐるみ
これだけで、ぬいぐるみの愛好家たちは、
「ここに頼みたい!」って思いますよね。

そして、ぬいぐるみの症状に合わせて、
内科、外科、整形外科、耳鼻科、と分かれて
いて、
高度で専門的な技術で治療(修理)を施しています。

さらにリハビリテーション科では、
手術後にスムーズな動きができるかの練習を行い、
薬剤部では、退院後に「化膿止め」と称したキャンディーを配り
談話室では、治療が終わった患者同士で交流する機会を提供したり、
イメチェンしたいとき用に美容室を設置したりと、
とにかく実際の病院になぞらえて多様なサービスを提供しているんですね。

さらに面白いのが、
迷子対策でマイクロチップを埋め込むマイクロチップ外来や、
重度の症状に対応するICU病棟
1週間以内の急ぎの治療に対応する救急病棟なんかもあります。

こちらの「ぬいぐるみ病院」、
あまりにも人気で3年待ちぐらいは当たり前ということで、
救急病棟の需要もあるんですね。

ぬいぐるみ愛好家の気持ちに寄り添う姿勢

ぬいぐるみに愛着がない人には理解できないかもしれませんが、
「ぬいぐるみ病院」に訪れるお客さんにとっては、
子供やペットと同じく心のつながりを持った「家族」そのものなのです。

一方で、子供やペットとは違って、
そのことを周りに理解してもらうのは、なかなか難しい。
愛する「家族」が病気や怪我をしたら不安ですから、
持ち主の心のケアも大切なのです。
だからこそ、その気持ちを理解して寄り添ってくれる「ぬいぐるみ病院」は、
「家族」を安心して預けられる大切な場所
なんですね。

「ぬいぐるみ病院」の商標登録がさらに参入障壁に

こうした人気も手伝って、
2013年の創業から11年が経過し、
現在の年商はなんと1億4,000万円。
「ぬいぐるみ病院」も商標登録されています(登録第5828401号)。
これも参入障壁に一役買っているかもしれません。

もちろん、商標を取ったとしても「ぬいぐるみのための病院」という
コンセプト自体を独占できるわけではないので、
別の名前の後発のサービスもあるにはありますが、
やはり世界観の作り込みで見たら、
「ぬいぐるみ病院」の右に出る者はいません。

顧客の心に寄り添うような、密接な関わりを実践している姿勢を見ても、
大手が真似できないわけだと思いました。

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