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名前が似ているだけで検索に悪影響?社名選びの落とし穴
新しく法人を立ち上げようとするとき、意外と見落とされがちなのが「社名の独自性」です。
一見まじめで正統派な名前に見えても…
- 炎上した企業と同じ社名だった
- 類似企業と混同されて風評被害
- 検索しても埋もれて自社が見つからない
このような問題が起きてからでは、変更も難しく、大きな機会損失になりかねません。
そこで今回は、商標専門弁理士の視点から「社名を独自にすべき理由とリスク回避策」を解説します。
なぜ独自の社名にすべきなのか?
✅ 他社・炎上企業との混同を防ぐため
ネット上では、「名前が同じ・似ている」というだけで、まったく無関係な企業と関連づけられてしまうことがあります。
- 社名を検索すると、炎上した企業のニュースが先に出てくる
- SNSでネガティブな印象と結びつけられてしまう

つい最近も、社員への暴行動画が流出して炎上した会社と同じ名前の会社が、「無関係であるにもかかわらず、問い合わせが来てしまって業務に支障が出ている」旨の声明を出していました。
このように、無実でも「怪しい会社」と思われるリスクがあるのです。
✅ 検索で上位表示されやすくなるため
独自性の高い社名は、Google検索で他社と競合しにくく、指名検索されやすいという強みがあります。
- 「ライズ」→ ありふれていて埋もれる
- 「ロジザード」「ココナラ」→ 造語だから検索でも一発表示
検索時代の今、社名がユニーク=見つけられやすい=ビジネスに直結します。
避けた方がいい社名の特徴
✅ 地名+業種名など、一般的すぎるもの
- 例:「東京清掃株式会社」「株式会社日本リフォーム」
- 同業他社と差別化ができず、記憶にも残りにくい
✅ 汎用的な単語・漢字だけで構成された名前
- 例:「グローバルシステム」「アシスト」など
- 商標登録も通りにくく、他社との競合・誤認も起きやすい
※ちなみに、「アシスト」は日本で一番多い社名と言われています↓
商標登録の観点からも、独自性は非常に重要
✅ 一般的すぎる名前は商標登録が通らないことも
商標法では、「単なる説明的な名前」「誰でも使う表現」は識別力がないとされ、登録を拒絶される可能性が高いです。
- 例:「うまい弁当」「格安タクシー」は登録不可の可能性大
✅ 他社と似ていると、拒絶される・侵害リスクがある
商標は「先願主義」。
他社が先に登録していると、後から登録できません。
さらに、社名として使用するだけなら問題ありませんが、商標として使用すると商標権侵害にあたる場合があり、警告や損害賠償請求が届くリスクも。
弁理士が教える社名のネーミング戦略
✅ 「独自の造語」で検索・記憶・保護をすべて実現
- 例:「メルカリ」「スマレジ」「ロコンド」など
- 短くて言いやすく、入力しやすく、なるべく他と被らない造語がベスト
✅ 「炎上リスク」を避けるには、事前のリサーチを
- 商標検索+Google+X(旧Twitter)+ニュース記事を活用し、過去にトラブルがないかチェック
- ネガティブワードと結びつく社名は避ける
まとめ|社名は「検索される」「保護される」「誤解されない」がカギ
- 社名はビジネスの顔。似ているだけで損をする時代には、独自性のあるネーミングが不可欠です。
- 風評・検索負け・法的トラブルを避けるには、「検索されやすく、保護されやすい社名」を選びましょう。
- 不安があれば、商標専門弁理士に事前に相談することで、ネーミング戦略を万全にできます。