単純接触効果を疑え ─ “逆ザイオンス”を防ぐ接触設計術

単純接触効果を疑え ─ “逆ザイオンス”を防ぐ接触設計術

※2024年8月13日配信メルマガVol.293より抜粋(一部加筆修正あり)

ビジネスでも使える単純接触効果(ザイオンス効果)とは?

営業やマーケティングにおいてよく使われる行動経済学上の心理効果の1つに
ザイオンス効果」と呼ばれるものがあります。

日本では「単純接触効果」という呼び名の方が一般的かもしれませんが、
元々無関心であった人や物事であっても、
繰り返し接触することで、好感や親近感が増していく心の動きのことです。

友人や恋愛などの人間関係ではもちろん、
ビジネスにも応用することで、
売上向上に良い効果をもたらすことができます。

営業担当者が客先にマメに赴いてコミュニケーションを図ったり、
情報発信を頻繁に行なって、見込客に価値を感じてもらったり、
TVでCMを繰り返し流して、視聴者にブランドを認知してもらったりして、
企業や商品への好感度や購買意思を高めてもらうということですね。

ザイオンス効果の落とし穴

しかし、「ザイオンス効果」は逆効果に働くこともあります。
いわば「逆ザイオンス効果」です。
例えば、接触の頻度が高すぎる場合や、
自分本位な接触目的の場合
そして接触の質が低い場合などに起こります。

まず、接触の頻度が高すぎると、
相手に警戒されてしまいますし、
しつこい」「鬱陶しい」「お腹いっぱい
と思われてしまう恐れがあります。

また、自分本位な接触では、
自分の利益しか考えてない
売り込みばかりでうんざり
と思われるでしょう。

さらに、接触の質が低いと、
「自分にとってあまりメリットがない
「そんなこと知ってるよ」
役に立たない
と関心を持たれません。

よく、「情報発信は毎日した方がいいですか?」
という質問がありますが、
これも「逆ザイオンス効果」で考えてみるといいでしょう。

媒体の質に合わせて、頻度と質の最適バランスを

ブログやYouTube、X(旧Twitter)のようなような
プル型(お客さんに見にきてもらう形)の発信なら
問題ない
かもしれませんが、
メルマガやLINEのようなプッシュ型(一方向に送る形)の発信では、
「接触の頻度が高すぎる」
と思われるかもしれません。

また、毎日発信したとしても、
売り込みばかりの内容だと、自分本位な接触だと思われるし、
質の低い情報発信なら、「この人の情報面白くない」と思われて、
2度と見にきてくれなくなるかもしれません。

そもそも、毎日毎日質の高い情報発信をしていったとしても、
ネタが続かなくなってしまう恐れもあります。

したがって、「ザイオンス効果(単純接触効果)」を狙うのはいいのですが、
単に頻度を高めればいいわけではなくて、
きちんと相手に価値を感じてもらえるように、
届ける情報の質を高めていく方が良いでしょう。

具体的には、お役立ち情報と売り込みの比率を1:1から4:1にするとか、
質の低い情報発信をするぐらいなら頻度を減らすとか、
ネタが続くように、情報を小出しにするなど、
「逆ザイオンス効果」の出現を防ぐのです。

これにより、見込客がより価値を感じられやすくなり、
売上・利益につながるかもしれません。

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