“わけありブーム”に乗らず月商100億へ──北の達人が示した“長期目線”の勝ち筋

“わけありブーム”に乗らず月商100億へ──北の達人が示した“長期目線”の勝ち筋

※2024年7月9日配信メルマガVol.288より抜粋(一部加筆修正あり)

わけありブームを生み出し成功

化粧品や健康食品の通販企業として有名な
北の達人コーポレーションは、
創業期はカニやメロンといった
北海道の特産品を売る企業でした。

ネット通販があまりない時期にはよく売れていたのですが、
楽天市場が注目されたあたりからネット通販企業が急増し、
類似のサイトも多数登場したそうです。

そこで、次の展開として考えたのが、
足の折れたカニや端の切れたタラコなどの規格外品を扱うビジネス

これに「わけありグルメ」という名前をつけて
「北海道わけあり市場」を開設したところ、
リーマンショック後の節約思考も相まって
商品が飛ぶように売れていったのですね。

やがてマスコミに取り上げられて、
「わけあり商品」が一大ブームとなり、
北の達人の社長は年に30回もTV出演するようになりました。

ブーム依存の落とし穴

しかし、これまた模倣する同業者が増え、売上は頭打ちに。
TV出演をしても自社の売り上げに寄与することはなく
逆に真似するライバル会社を利する形になってしまいました。

ブームというのはどこまでいっても一過性に過ぎません。
同業からは真似されてしまい、
お客さんは次のブームに移ってしまうので、
売れ続けることがないのですね。

これは、たとえ特許や商標を取ったとしても同じです。
なぜなら、技術やネーミングを少し変えれば、
似たものは作れてしまう
からです。

長期視点へ舵を切った北の達人モデル

したがって、できるだけブームとは無関係の
ベーシックな商品を長く売り続け

本当に気に入ってくださったお客様だけに
買っていただけるように努める
方が
経営は安定するでしょう。

北の達人はその後、
流行に左右されず
他社が真似できないような、
高品質の自社ブランド商品を開発するようになり、
営業利益率29%の高収益企業に成長しました。

サザンに学ぶ!ファンと長期的な関係を築く方法

BtoCでもBtoBでも、気に入ってくれるお客さんとの“1対1の姿勢”がロングファンを生みます。

先日知ったのですが、
サザンオールスターズの桑田佳祐さんに
往復ハガキでファンレターを出すと
わざわざ直筆でお返事をくださるそうです。

デビュー曲から大ヒットを記録したものの、
一過性のブームで終わらず、
45年以上経った今でも第一線で活躍するサザンですが、
大物ミュージシャンとなっても、
ファン1人1人を大切にして長期的な関係を構築する姿勢は、
「真似して」いきたいところです。

自社商品は流行で売れていないか?
“10年買い続けてくれる顧客”を何%持っているか?
ブーム時こそR&D・顧客対応に再投資しているか?
といった点をいつもチェックしていきたいですね。

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