※2023年12月12日配信メルマガVol.258より抜粋(一部加筆修正あり)
最難関中学合格者「274名」と「2名」はどちらがすごい?
突然ですが、あなたの子供が
最難関校である開成中学への受験を志望しているとします。
それで、近所の学習塾に通わせようと考えていますが、
前年の開成中学の合格者数について、
A塾では「274名」
B塾では「2名」
との記載がありました。
その年の開成中学の全合格者数は419名で、
A塾出身の合格者は約65.4%を占めています。
さて、あなたはどちらの塾にお子さんを通わせるでしょうか?
普通に考えると、
A塾かな?と考えがちですよね。
在籍者数あたりの合格者で見ると…
しかし、A塾の在籍者数は6,730名で、
B塾の在籍者数が50名だとしたらどうでしょうか?
6,730名中の274名だから、
A塾の在籍者から合格するのは、たった4%です。
(学年とか、開成中を受験できない女子生徒も在籍している点は無視します)
一方、B塾の方は、
50名中2名なので、
B塾の在籍者から合格するのも4%ということになります。
さらに入塾条件で見ると…
しかも、A塾の方は厳しい入塾テストがあって、
落ちると入塾すらできません。
つまり、選び抜かれた中から4%の合格者が出ています。
他方、B塾の方はテストもなく、
誰でも入塾できます。
誰でも入れて、その中から4%の合格者が出ています。
そう考えると、「B塾の方がいいかも?」と思えてきますよね。
すなわち、合格者数だけではなく、
母数も含めた合格の割合を考えた時、
判断が変わることがあるということです。
実績の出し方に注意
ここで、もしあなたがB塾の経営者だとしたら、
「〇〇年度開成中学の合格者2名!」
のような表記をしないよう注意が必要です。
なぜかというと、「274名」と記載してあるA塾の方が
比較により選ばれる恐れがあるからです。
前回の話でも出てきたように、
人はつい単純化して考えてしまうので、
大きな数字につられてしまう可能性があります。
B塾がA塾に勝つためには、
「誰でも入塾できて合格率4%!」
のように、比較して勝っている数字で伝えることが大事なのですね。
お客さんの「判断軸」を変える伝え方
もっと詳細に言えば、
入塾させるかどうか判断する親御さんの
「判断軸」を変える伝え方が必要なのです。
厳しい入塾試験のあるA塾が、
選ばれた優秀な生徒が自発的に勉強し、
周りの優秀な生徒たちと鎬を削りながら結果を出す塾ならば、
誰でも入れるB塾は、
先生の丁寧な個別指導で、
あまり優秀とは言えない生徒でも着実に実力をつけて結果を出す塾
といったように、
「違う土俵で戦っている」ことと、
「うちの子にはこちらがピッタリだ」と思えることを
伝えるのですね。
競合他社と判断軸を変えて伝えるというのは、
学習塾に限らず、あらゆる分野に通じる考え方だと思います。
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