「レッドブル」、驚きの戦略。「まずくて、高くて、量が少ない」から売れる!?

「レッドブル」、驚きの戦略。「まずくて、高くて、量が少ない」から売れる!?

※2023年4月4日配信メルマガVol.222より抜粋(一部加筆修正あり)

「レッドブル」は「リポビタンD」にヒントを得て誕生した!?

エナジードリンク市場で最も高いシェアを有しているのが、
1987年にオーストリアで発売された「レッドブル」ですが、
実は、日本の栄養ドリンクの「リポビタンD」にヒントを得て
誕生
したことをご存知でしょうか?

レッドブル創業者のディートリヒ・マテシッツ氏が、
「Newsweek」誌の「日本の高額納税者リスト」の記事を見ていたとき、
リポDを販売していた大正製薬の会長が上位にランクインしているのを発見し、
大きな可能性を感じたのです。

その後、マテシッツ氏がタイを訪れた時に、
リポDと同様の成分の人気ドリンクが販売されていることを知り、
そのメーカーからライセンスを取得して「レッドブル」が誕生したのです。

「エナジードリンク市場」を広めるための驚きの商品戦略

同時に、「マイナスをゼロにする(疲れをとる)
医薬部外品の「栄養ドリンク市場」とは別の、
ゼロをプラスにする(気分を上げる)
清涼飲料水の「エナジードリンク市場」が新たに生まれました。

その商品戦略がすごい。
普通に考えれば、「おいしくて、安くて、量が多い」ものが人気商品となると考えます。
しかし、レッドブルはこの常識を覆し、
「まずくて、高くて、量が少ない」ドリンクを意図的に作ったのです。

小さい缶に、気妙な味のドリンクが入って、高い値段で売られている…。
その時に人はどう思うかというと、
だから強力な飲料に違いない
と信じてしまうのです。
一種の「プラシーボ効果」といったところでしょうか。
これにより、「レッドブルを飲めばテンションが上がる」
という認知を得る
ことに成功しました。

新しい市場を生み出すには、
顧客の頭の中に新たな価値観を作る必要がありますが、
そのために「まずくて、高くて、量が少ない」というコンセプトが必要だったんですね。

若い層との接点を作ったレッドブルのマーケティング

このように、エナジードリンク市場を作り出した
レッドブルのマーケティング戦略は、
まずはクラブやバーなどのナイトシーンから浸透し始め、
次にコンビニで幅広く普及します。
清涼飲料水ということで、栄養ドリンクとは別の棚を確保することに成功したんですね。

また、私ももらった記憶がありますが、
街ではサンプリングを大々的に配布するなど、
若い層に向けて接点を増やしていきました。
レッドブルカラーにペイントされた車に、
レッドブルの缶のデザインのオブジェが乗っかった、
あの特殊な宣伝カーをご覧になった方も多いことでしょう。

それから、TVCMなどのメディア露出に力を入れ始め、
「翼を授ける」というキャッチフレーズも有名になります。
また、F1などのエクストリームスポーツのスポンサーになるなどして、
その知名度を一気に引き上げていきました。

こうして若い世代から中年にまでレッドブルが浸透しましたが、
新市場を作り出したリーダーブランドに対する、
顧客のフラストレーション
も溜まってきました。
その点はまた次回に↓

トップブランドへの不満を解決して逆転した「モンスターエナジー」
※2023年4月11日配信メルマガVol.22 3より抜粋(一部加筆修正あり) トップブランドに対する不満と新たなニーズが発生 前回、顧客に新しい価値観を植え付…
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