※2022年11月1日配信メルマガVol.200より抜粋(一部加筆修正あり)
目次
常温で溶けないアイス「MIXREAM」
「常温でもなかなか溶けないアイス」をご存知でしょうか?
金沢大学の太田富久名誉教授と共同で研究開発し、
FULLLIFE株式会社が製造販売している「MIXREAM」というアイスなのですが、
室温25℃で約30分形状が維持できます。
気温40℃まではほぼ同等の効果があるようです。
https://full-life.org/
「溶けないアイス」といえば、
以前のメルマガでご紹介したもので
葛をアイスのようにアレンジした「葛BAR」という商品があります↓
こちらの「MIXREAM」は葛ではなく
イチゴから抽出したイチゴポリフェノールを保形性原料として用いています。
添加物を一切使用せず、自然由来の原料だから安心できますよね。
溶けにくい技術は特許も取得済み
イチゴポリフェノールから作った保形性原料には、
2つの機能があります。
まず1つは、水分と油分の分離を防ぐ機能で、
アイスクリームなどのクリーム類の離水を抑制してくれます。
もう1つは、気泡の弾力性を向上させて崩れにくくする機能です。
時間が経つと流石にプリンのように自重で沈んでくるらしいのですが、
これらの機能により溶けにくくなるのですね。
もちろん特許も取得済です(特許第5603088号)。
「MIXREAM」の特許技術がもたらす様々なベネフィット
溶けずに形状を保持してくれるメリットにより、
お客さんにとっても、さまざまなベネフィットがあります。
子供がゆっくり食べられる
例えば、食べるのがゆっくりな小さな子供でも、
すぐに溶けてベトベトになることなく完食することができます。
キャラクターをかたどったアイスが食べられる
また、同社は360度立体フィギュアのアイスを製造受託しているのですが、
キャラクターを細部に渡って表現できるようになりました。
テーマパークなどでキャラクターをかたどったアイスが食べられるようになるかもしれません。
視覚と味覚で楽しめる
さらに、溶けにくい果汁氷「アイスボーール」をビールに入れた、
「BEER DROPS」という新感覚のビアスタイルが、
アサヒビール運営のレストランで提供されています。
ビールの冷たさを維持しつつ、鮮やかな色合いを視覚から楽しめて、
時間経過とともにフルーティに変化するのを味わうことができます。
https://www.asahibeer.co.jp/beerdrops/
こちらは現在特許出願中です(→2024年5月29日に特許が認められました。特許第7496110号)。
高齢者も安心して食べられる
そして、なんと「介護用食品」としても活用が期待されています。
「脳活アイス」と言って、「MIXREAM」に「α-GPC」と呼ばれる
脳神経を活性化させるサプリを配合しているんですね。
食感がなめらかなので、嚥下機能の弱った高齢者でも安心して食べられるし、
なにしろ溶けにくいのでゆっくり食べることができます。
https://megumi-keiju.com/
流通や保存のコストを下げられる
同社はさらに、常温で流通させることのできる「&アイス」という商品も開発しており、
冷凍食品の「流通や保存のコストを下げる」という課題も解決しました。
普段は常温で保管しておいて、使用の前日に冷凍庫に入れることで、
ドリンク用アイスボールとして利用できるというものです。
冷凍設備が不要なため、輸送や販売店舗の取り扱いも増やすことができます。
「メリット」と「ベネフィット」の違い
このように、「常温でもなかなか溶けない」という
商品の「メリット」単体で見れば「ふーん」で終わりそうなところ、
「小さなお子さんも、ゆっくり時間をかけて食べられる」
「嚥下機能の弱った高齢者でも安心して食べられる」といった
「ベネフィット」があることで、
人が買いたくなる理由になるんですね。
「メリット」と「ベネフィット」の違いは、
シンプルに言えば、
「メリット」が「優れた点」で、
「ベネフィット」が「手に入る明るい未来」です。
「メリット」の主語が「商品やサービス」であるのに対し、
「ベネフィット」の主語は「お客さん」であることがわかりますよね。
「メリット」と「ベネフィット」をセットで表現するのが大事
商品やサービスを販売する際には、
この「メリット」と「ベネフィット」のセットが大事で、
「こういうメリット(優れた点)があるから、こういうベネフィット(明るい未来)が得られます」
と言った形で表現することが大切なんですね。
商品・サービス提供者側の視点から見ていると、
どうしても「メリット」ばかり説明しがちですが、
お客さん側の視点を持って「ベネフィット」を訴求しないと、
欲しいと思ってもらえないかもしれません。
「ベネフィット」を掘り下げていくと、
お客さんの真のニーズや新しい課題が見えてくるかもしれませんし、
そこで商品・サービスの改善、新商品・新サービスが生まれる可能性もあります。
優れた技術であればあるほど、
ついついメリットに傾きがちな視点を、
ベネフィット視点で捉え直してみると、
お客さんに「欲しい!」と思ってもらえる機会が増えると思います。
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