未開拓の市場へ消費者層を広げることが大事

未開拓の市場へ消費者層を広げることが大事

※2022年10月4日配信メルマガVol.196より抜粋(一部加筆修正あり)

事業領域を拡大して業績を上げた「スノーピーク」

最近、社長の電撃辞任で話題となった「スノーピーク」は、
元々高品質なアウトドア・キャンプ用品メーカーとして評価を得ていましたが、
2014年のアパレル事業の開始に加え、
2020年の「衣食住働遊」の5つのテーマへの事業領域の拡大により、
業績を上げていったようです。

今期の通期決算は下方修正されたものの、
第2四半期(2022年1月1日~2022年6月30日)の決算は、
売上高が前年比+34.5%、営業利益が同+58.6%と、
今のところは好調であることは間違いありません。

これまで買ったことのなかった人にも訴求

そんな同社のビジョンや提供価値は、
人間性の回復」「自然指向のライフバリューの向上
というメッセージに表れています。

具体的には、オフィス家具にキャンプ用品のテイストを採り入れたり、
会議スペースとしてのテントを提供したり、
キャンプ場やグランピング施設、レストランを運営したり、
モバイルハウスを販売したりしています。

もちろん、昨今のキャンプブームが売上を後押ししたこともあるでしょうが、
アウトドアやキャンプ用品という限られた狭い市場に拘らず
オフィスや日常でも自然を感じられることを価値として提供することで、
より広い消費者層に訴求することができているのですね。

これにより、既存の熱狂的なファン(スノーピーカー)だけでなく、
今までスノーピーク商品を買ったことのなかった人たちも、
スノーピークブランドの商品やサービスを購入する機会となります。

そんなスノーピークのポイントカード会員が、
2022年6月末現在で、約71万8千人もいるそうです。
ポイントが貯まるとランクが上がり、
限定イベントに参加できるということで、
ファンビジネスに成功しています。

マーケティングとは市場を広げること

マーケティングとは、
マーケット(市場)を広げること」に他なりませんから、
「既存の消費者により多く買ってもらう」だけでなく、
消費者層を広げる」ことも大切なのだと思います。

モノやサービスが溢れている時代、
どうしても「差別化すること」や、
「広告を打つこと」「SNSに力を入れること」等
既存のマーケットでシェアをとることに目が向きがちですが、
そこに囚われすぎると、もっと広い未開拓の市場が見えなくなってしまいます。

「マーケット(市場)を広げる」という、
マーケティングの本質を思い出し、
未開拓の市場へ消費者層を広げてみてはいかがでしょうか?

消費者層の拡大はブランドの軸を通して行う

ただし、なんでもかんでも手を出したらいいわけでもなく、
そこには会社としての「理念」や「ミッション」「ブランド」という
1本の軸が通っていてこそ
ですよね。
そうでないと、「何をやっているんだ?」と、
既存のファンからもそっぽをむかれてしまいます。

スノーピークの
「人間性の回復」「自然指向のライフバリューの向上」
といった理念やミッション
に加えて、
統一された「snow peak」ロゴ使用によるブランド化は、
1つの参考事例になるのではないでしょうか。

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