※2019年8月20日配信メルマガVol.33より抜粋(一部加筆修正あり)
リモコンに「Netflix」ボタンがついた理由
世界中で中毒者や依存症を生み出していると言われる、「Netflix(ネットフリックス、ネトフリ)」。
米国のオンラインDVDレンタル&映像ストリーミング配信サービスの会社で、米国の主要IT企業を示す「FAANG」(Facebook, Amazon, Apple, Netflix, Google)の1つとして著名です。
そんなネトフリですが、
近年のテレビのリモコンには、「Netflix」のボタンがついています。
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もともとはDVDレンタル会社でしたが、
2007年頃、オンライン配信サービスが始まってからの「Netflix」は、
テレビ局との競争に勝つ必要が出てきました。
ほとんどのテレビでインターネットを受信できるようになり、お気に入りの作品はスマホよりテレビの大きな画面で見たい、という欲求が生まれたのですね。
オリジナルコンテンツを制作するネトフリは、完全にテレビの競合になってしまったわけです。
したがって、日本市場に参入する際に、いかにテレビ視聴者の需要を取り込むか、という課題がありました。
いかにしてリモコンに「Netflix」ボタンを設けることができたのか
そこで取った手法が、「テレビのリモコンに、「Netflix」のボタンを設ける」という戦略。
主要なメーカーに声をかけて、「「Netflix」のボタンを入れてくれれば、リモコンの制作費の10%を負担する」と申し入れたのです。
リモコンの制作費は、1個あたり約100円。
つまりリモコン1個につき10円負担すればいいだけです。
家電メーカーとしても、コスト削減になるし、
何より「Netflix」が入ってるというのが、売りになる。
ウィン・ウィンの関係になりました。
リモコンに「Netflix」ボタンを設けた効果
こうして、2015年の国内のネット対応テレビの出荷台数250万台に、
1個10円のリモコン制作費負担で、
たった2,500万円の費用で、マーケティングしてしまったのです。
何度も高いコストをかけてCMを打っても、数あるCMの中の1つとして、なかなか記憶には残りにくいものです。
それを、リモコンに物理的に組み込むことで、「なんだろう?」と、それまで興味のなかった人たちをも振り向かせることができますよね。
マーケティングの省コスト分は、一番肝心なオリジナルコンテンツの制作費用へと、巨額の投資を行っています。
リモコンを手に取るたびに、目に入る「Netflix」のロゴマーク…
リモコンという既存のプラットフォームに入り込み、
自社のコンテンツプラットフォームに誘導、
良質なコンテンツで視聴者を囲い込む。
この戦略が功を奏したことは、想像に難くありません。
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