ゲームの強い人はビジネスや投資でも強い説

※2022年11月8日配信メルマガVol.201より抜粋（一部加筆修正あり）

ボードゲーム大会

先日、経営者や個人事業主の方々と、
ボードゲーム大会をしてきました。

ポーカーや「ハゲタカのえじき」
「宝石の煌き (Splendor)」「EETENKI」「カタン」「ブロックス」など、
多くのボードゲームが登場。

私は普段全くゲームをしないのですが、
あるゲームを運よく1位で勝ち上がって、
景品をいただき、楽しい時間を過ごすことができました(嬉)

経営者がゲームに強い理由

先日「令和の虎」と呼ばれるYouTubeのメンバーだった経営者たちが、
「賭けポーカー（違法賭博）」容疑で書類送検されましたが、
ゲームで交流を深めている経営者たちは意外に多いようです。

さて、ゲームと聞くと、単なる遊びでビジネスには関係ないただの道楽だと思われがちですが、
実は一流の経営者や投資家（トレーダー）ほど、ゲームが強かったりします。

ポーカーや麻雀のような、
相手の手札が伏せられていて
ゲーム進行に必要な情報が一部隠れているゲームを
「不完全情報ゲーム」と言いますが、
これは与えられた情報を元に、見えない情報を推測して価値を競うゲームです。
（一方、将棋やチェスのような、お互いの情報が開示されているものを「完全情報ゲーム」と言います。）

そのためには「期待値」から勝てるところを狙う「計算力」が必要ですし、
相手の心理を読む「洞察力」も必要になります。
これって、ビジネスや投資に通じるものがありますよね。

不完全情報ゲームもビジネスも設定が大事

また、「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」と呼ばれる
最もメジャーなトレーディングカードゲーム（不完全情報ゲーム）では、
カードを自由に組み合わせたデッキ（山札）を用意して対戦しますが、
このデッキの組み方（レシピ）で勝負が決まってしまうそうです。
大会の後には、優勝者のレシピが公開されて、研究されていきます。

ちなみに、私が参加した会には、
数々のゲームの世界大会で1位を獲得し
MTGでも世界1位になった方もいらしてました。
その方のレシピがあまりにも強くて、
同じようなデッキが世界中で優勝を総なめにし、
使用禁止になったそうです笑

それだけ初めの設定が重要で、あとは作業という点は、
ビジネスや投資でも共通するように思います。
例えば、ビジネスは市場規模の範囲に収まるので、
どの業種を選ぶかが重要です。
その中で経営戦略があり、ビジネスモデルがあり、
マーケティングがあって、セールスがあります。
セールスは外注できて、マーケティングも部下に任せることはできますが、
業種選びや経営戦略は外注できないし、部下に任せるわけにもいきません。
経営の根幹ですよね。
つまり、この最初の設定こそが経営者の仕事ということになります。

ビジネスは不完全情報ゲーム？！

「不完全情報ゲーム」は、実力だけでなく運の要素にも支配される点が、
より勝負を面白くさせていますよね。
初心者が実力者に勝ってしまうこともよく起こります。

ビジネスや投資の世界でも、業歴の短い会社が業歴の長い会社を負かすことはあるし、
昨日今日投資を始めた個人投資家が、圧倒的に情報やスキルのある機関投資家に勝つこともあります。

一方、将棋やチェスのような「完全情報ゲーム」は、
完全に実力の世界で、アマがプロに勝てることはまずありません。
この点は、ビジネスとはやや異なっているように思います。

このように共通点を見つけていくと、
ビジネスは不完全情報ゲームに近く、
さらに、ゲームの強い人がビジネスや投資でも強いという説は、
あながち出鱈目とは言えないのでは？と思いました。