意匠登録の流れ|弁理士がわかりやすく解説

意匠登録の流れ|弁理士がわかりやすく解説

事業で独自のデザインを守りたいと考えたとき、意匠登録は有効な手段です。
しかし「どういう手順で進めればいいのか?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、意匠登録の流れを出願前の準備から登録・権利活用まで弁理士が解説します。


意匠登録の流れ(全体像)

意匠登録は次のようなステップで進みます。

  1. 登録可能性の調査
  2. 出願書類の作成・提出
  3. 特許庁での審査
  4. 登録査定・登録料の納付
  5. 意匠権の発生・活用

1. 登録可能性の調査

まず、自社のデザインが意匠登録できるかどうかを確認します。

  • 新規性があるか(すでに公開・販売されていないか)
    自身や自社で公開した場合も、新規性を失うことになるので注意が必要です
  • 他人の登録意匠と類似していない
  • 意匠法で保護される対象に該当するか

弁理士に依頼すれば、特許庁データベースや海外データベースを用いた調査が可能です。
事前調査を行うことで、出願しても拒絶されるリスクを下げられます。


2. 出願書類の作成・提出

意匠登録を出願する際には、次の書類を作成して特許庁に提出します。

  • 意匠登録出願用の願書
  • 意匠の図面または写真
  • 必要に応じて特徴記載書

図面の精度は特に重要です。誤りや不明確さがあると拒絶理由の対象となる場合があります。
また、部分意匠・関連意匠などの制度を使う場合も、適切な図面表現が必要です。


3. 特許庁での審査

出願後、特許庁の審査官による審査が行われます。

審査の内容は以下のとおりです。

  • 新規性・創作非容易性の確認
  • 先願意匠が存在しないか
  • 公序良俗違反がないか
  • 意匠法で保護される対象

その他にも登録要件が存在します。
なお、拒絶理由がある場合は、審査官から「拒絶理由通知」が届きます。
その場合は、意見書や補正書を提出して対応します。


4. 登録査定・登録料の納付

審査に合格すると「登録査定」が出ます。

登録料を納付すると、意匠権が発生します。
意匠の場合、第1年分の登録料を納付することで設定登録がされ、意匠権が発生します(意匠法43条1項)。

その後は、存続期間満了まで毎年登録料を納付して維持する必要があります。


5. 意匠権の発生・活用

設定登録された日から、意匠権が発生します(意匠法20条、43条)。

意匠権者は次のことが可能になります。

  • 類似品の差止請求
  • 損害賠償請求
  • ライセンス契約による収益化
  • M&Aや資金調達における資産評価

実務上のポイント

  • デザイン公開前に出願(新規性を失わないため)
  • バリエーション展開を見込むなら「関連意匠制度」を活用
  • 部分意匠で特徴的な要素だけを守ることも可能
  • 商標著作権との組み合わせでより強固に防衛

まとめ

意匠登録は、

  • 調査
  • 出願
  • 審査
  • 登録
  • 活用

という流れで進みます。

特に出願書類の作成や拒絶理由対応は専門知識が求められるため、弁理士に相談することをおすすめします。

弊所では、

  • 登録可能性調査
  • 意匠出願書類の作成
  • 拒絶理由対応
  • 登録後の活用支援

までワンストップで対応可能です。
「自社のデザインを権利で守りたい」という方は、ぜひご相談ください。