顧客層拡大の落とし穴:ブランドイメージを守る価格・商品設計の原則

顧客層拡大の落とし穴:ブランドイメージを守る価格・商品設計の原則

※2024年12月31日配信メルマガVol.313より抜粋(一部加筆修正あり)

LVMHグループを支える「ティファニー」

ティファニー」といえば、
“ティファニーブルー”と呼ばれるイメージカラーが特徴で、
世界の5大ジュエリーブランドの1つとして有名ですよね。

特に「オープンハート」は、
日本でもバブル期に大人気のシリーズとなりました。

2021年にはLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン グループ)傘下に入り、売上も好調。
同グループのジュエリー・時計部門の収益を支える存在になっています。

なぜ“安価な雑貨”がブランドを弱らせるのか

ところが、そんなティファニーにも、
数年ほど業績が低迷した時期がありました。

ジュエリーのラグジュアリーブランドとしての地位を築いた後に、
ライフスタイル商品を展開するようになったのです。

例えば、豚の貯金箱やストロー、三角定規、ヨーヨーなど。

こうして比較的手の届きやすい価格設定の雑貨を販売し始めた結果、
ティファニーの店内には、普段とは異なる客層の人が訪れるようになったのですね。
(ちなみに、ティファニーは元々文房具店でした)

その結果、常連客やVIP客にとって、居心地の悪い店となり、
既存客のティファニー離れが起こってしまいました。

それだけでなく、安い商品を買い求めるお客さんが増えると、
クレーマーも増えてしまったのです。
一般的に、高級店よりも大衆店の方が、
クレーマーやモンスターカスタマーが多い
というのはよく知られていますよね。

それがさらにお店の居心地を悪くさせ、
大口のお客さんが離れて収益が下がってしまったのです。

ティファニーは何をやめ、何を残したか

確かに、マーケティングにおいて未顧客の層を開拓することは大切ですが、
その結果、より大切な既存客を逃してしまったら元も子もありません。

ブランドイメージを壊すような値下げや、安価な商品展開は、
するべきではない
のです。

それからティファニーは、
こうした安価でブランドの世界観を壊すような商品を取りやめ
ブランドにふさわしい商品だけを残した結果、
再び良質なお客さんが戻ってきたそうです。

以上より、顧客層を広げる際には、
ブランドイメージがマイナスに働くことはないか、
よく考えてから実行するようにしましょう。

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