※2022年2月22日配信メルマガVol.164より抜粋(一部加筆修正あり)
「著者のブランディングのための出版」とは?
先日、出版の営業を受けてきました。
出版社の名前は伏せますが、
そこそこ知られた会社です。
その内容は、
「著者のブランディングのための出版」という企画です。
「ブランディングのため」とはどういうことかというと、
書籍の製作を通じて、
著者や著者の会社のPR、認知度向上、新規顧客の開拓、
採用、社内への理念の浸透…等を図るといった趣旨です。
ようは、「あなたのブランディングのために弊社で出版しませんか?
ただしあなたも費用の負担が必要です」
という提案ですね。
これは、出版社が全ての費用を負担する「企画出版」と
著者が全ての費用を負担する「自費出版」の
中間に当たる「共同出版」と呼ばれるものだなと思いました。
共同出版は、初版の発行費用を著者が負担し、
プロモーションや書店営業を出版社が負担する形式の出版です。
それだけ聞くと、自費出版よりもよさそうに聞こえますし、
企画出版できるほどの実績や知名度がない人にも、
チャンスがあるようにも思えます。
「共同出版」はトラブルも多い
しかし、実際には結構トラブルも起こっていて、
「全国の書店に配本される」と喧伝しながら、
一部の書店にしか卸されていなかったなどで、
裁判沙汰にもなっています。
出版業界に疎い素人をつかまえて、
夢を見させておきながら、
大して売る努力を見せてくれない…
みたいなことが行われているんですね。
営業してきた会社がどうかはわかりませんが、
こういった勧誘があったときは、
詳細を確認して書面に明記してもらってから契約した方が良いでしょう。
出版の提案内容
ちなみに、今回の提案では、
- 初版の印刷部数は「4,000部」
- 著者が負担する出版費用は「400~500万円」
- 印税率は本体定価の「8%」
- 初版の印税の支払いは「なし」
- 重版がかかった場合は、以降の費用負担「なし」&印税支払い「あり」
- 重版後は「半年ごと」に実売印税を入金
- 電子書籍化やライターが入る場合は「別途費用」
といった内容でした。
プロモーションは、
- 全国5,000店舗と取引実績あり
- 電話やFAX、メール送信で営業フォロー
- 自社SNS(フォロワー数千)で告知
- 書店向け情報誌に掲載
- Amazonや楽天などで予約可能
- TV局、新聞社等にプレスリリースや献本
などが提示されました。
出す本のジャンルやビジネスの内容で費用対効果は変わる
ここで思ったのは、出す本のジャンルや、
自分のビジネス領域や規模により、
費用対効果が天と地ほど違うなと思いました。
そして私の業界である「知的財産」の分野では、
一般向けに出版する意義があまりない(売れにくい)上に、
本を買った人が顧客になる確率も低いよなと。
実際に「知的財産」の分野で、すでに同社の企画に参加し、
出版したものがあるのですが、
1年半前に出版して、初版の在庫が1,500~2,000部残っているそうです。
そりゃそうだよなあという感じですね。
あなたはこのオファー内容について、どう思いますか?
ぜひ感想をお寄せくださいね。
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