※2025年3月11日配信メルマガVol.323より抜粋(一部加筆修正あり)
第三のシニア市場とは?—介護・医療の“外側”にある生活支援ニーズ
高齢者向けの市場といえば、
大きく分けると「介護」と「医療」ですが、
第三の新しい市場を立ち上げて挑戦している企業があります。
AgeWellJapanという企業で、
シニアと若年層をつなぐ「もっとメイト」というサービスを展開しています。
https://agewelljapan.co.jp/
https://motto-mate.com/c&g/
「もっとメイト」は、簡単にいえば、
Z世代の若い人たちが、
おじいさんやおばあさんのお話し相手になったり、
外出に付き添ったり、買い物をサポートしたり、
スマホの設定や操作のレクチャー、オンライン予約のサポートなど、
暮らしのお手伝いを行うサービスです。
昔から「便利屋」というビジネスがありましたが、
それをシニア向けに特化したような形ですね。
需要背景:独居高齢者の増加と“生活孤立”の拡大
今の高齢者は、年金もそれなりにもらって資産もあるし、
まだ身体も元気な人が多いです。
しかしその一方で、少子化や核家族化が進んで、
孤独や孤立が増加しており、
隠れた社会問題になっています。
令和2年の65歳以上の一人暮らしの数は約702万5,000人で、
10年前と比べて220万人以上増加しているという話も。
孤独や孤立は、死亡率も増加するし、
心血管系疾患のリスクも上昇するし、
メンタルにも悪影響を及ぼし、
認知機能の低下や認知症リスク増加も引き起こすので、
飲酒や運動不足以上に、寿命に与える影響が大きいと言われています。
さらに、高齢者の孤独や孤立は、
犯罪を助長する要因のひとつとしても考えられているので、
実は現役世代にとっても重要な課題でもあるんですね。
「もっとメイト」の価値提案
そんな中で、若い世代と高齢者をつなぐプラットフォーム「もっとメイト」が生まれたのは、
必然と言えるかもしれません。
実際にサービスを行うスタッフに関しては、
お客さんに害を及ぼす人を採用しないよう、
複数回面接審査を行い厳選しているようで、
さらには定期的な研修を通してプロとしてのスキルを養っているとのこと。
今はまだ、1都3県での提供に止まっていて、
世間に浸透していないためか、
「パパ活」「ママ活」ならぬ
「ジジ活」「ババ活」などと揶揄されていますが、
今後高齢化が進み、単身の高齢者も増えるにつれて、
このサービスの需要が増える可能性は十分に考えられます。
そうすると、大手企業も参入して、「介護」「医療」に続く
大きな市場になるかもしれませんね。
