※2024年8月27日配信メルマガVol.295より抜粋(一部加筆修正あり)
“嫌な跡”→“癒やしの跡”にした逆転発想の洗濯バサミ
100円ショップのダイソーで売っている
ある”洗濯バサミ”が話題になっているのをご存知でしょうか?
https://x.gd/wMQvY
「スタンプ洗濯クリップ」と言うこの洗濯バサミ、
一見猫の手の形をしているだけの普通の商品に見えますが、
これで洗濯物を挟むと、
なんと肉球柄の跡が残るようになっています。
普通は洗濯バサミで挟むと、
シワになりやすい洗濯物にはクリップの跡がついてしまって、
せっかく乾いても嫌な思いをしますよね。
そこで、各メーカーが跡がつきにくい洗濯バサミを開発しているのですが、
こちらの「スタンプ洗濯クリップ」を開発した株式会社アイビーは、
「どうせ付くなら、可愛い跡で見つけた時の喜びを」
という逆転の発想に至ったそうです。
ちなみに、この商品の先端形状部分は、デザインの特許である意匠登録もされています(意匠登録第1746531号)し、
挟み痕で絵柄をつけるアイディアについては、
未登録ではあるものの特許出願もしています(特開2024-101604)。
使うたびに愛着が湧く逆転発想の消しゴム
他にも、商品のマイナス面を活かす逆転の発想の事例はあります。
例えば、こちらの消しゴム「ネコゴム ハチワレ」。
https://amzn.to/4dywICj
猫の絵が金太郎飴式に出てくる直方体の消しゴムなのですが、
消していくうちに角が取れて丸くなってくるので、
自分の好きな形に育てることができるのです。
普通、消しゴムは買った時が一番綺麗な形をしていて、
使っていくうちに形が崩れていきますよね。
使うたびに愛着が湧くことはないはずです。
しかし、こちらの「ネコゴム ハチワレ」は、
消していくうちに自分好みの形にする楽しみが湧いてきます。
元の消しゴムの形が崩れるというマイナスの特徴を、
逆転の発想でプラスに変えています。
逆転プロダクトを開発するステップ
このように、自分の商品・サービスの業界でも、
「どうしてもマイナスの面が生じてしまうが、それを逆にプラスに変えられないだろうか?」
と考えてみるのはありではないでしょうか。
そのためには、
①避けられないマイナスを列挙する
②マイナス要素を排除せずに価値化することを考える
③マイナス要素の一部を遊びor喜びに変換する
という3ステップを踏むと、上記の例のような「逆転プロダクト」を生み出すことができます。
そして、こういった斬新な商品は他社に真似されやすいので、
④商品の発売前に特許や意匠、商標出願などの知的財産権で保護する
ことを考えましょう。
これにより、類似品の出現を抑えることができるので、
自社の開発にかけた費用を回収しやすくなります。