下火の業界から生き残るには?

下火の業界から生き残るには?

※2023年4月25日配信メルマガVol.225より抜粋(一部加筆修正あり)

飲料の自動販売機台数は減少傾向

人口の減少、
コンビニの100円コーヒーの台頭、
宅配代行サービスの登場、
コロナによる外出機会の減少、
そして資源高騰に伴う電気料金の値上げ。

これらの要因で、
飲料の自動販売機の台数当たりの売上・利益が落ち込み
採算割れし始めた結果、
撤去が進んで台数自体が減少傾向にあるようです。

人口あたりの自販機設置台数が世界一と言われるほど
自販機大国の日本ですが、
昨今の外部環境の変化に伴い、
自販機ビジネスも転換を迫られているというわけですね。

結婚指輪まで!?「変わり種」自販機が続々登場

そんな中で自販機開発の業界も生き残りをかけようと
さまざまな「変わり種」自販機を設置するようになりました。

出汁や醤油などの調味料系、
うどんやハンバーガー、弁当に冷凍食品にお菓子などの食べ物系はよく見かけますよね。
千葉で馬刺しの自販機を見かけたことがあります。

高価なものでは、金貨や銀貨の自販機、
真珠アクセサリーや結婚指輪の自販機まであります。
結婚指輪の自販機は「名もなき指輪」という名前の手作りキットで、
商標登録もされています。

さらには、折り紙で折った象や手裏剣のような
折り紙作品を1個10~50円で販売する自販機まであります。
(流石にこれは収益目的ではありませんが)

新しい価値を提供する自販機サービス

商品そのものの差別化ではなく、
自販機サービスとして差別化し、
新しい価値を提供している例もあります。

例えば、サントリーが開発した「社長のおごり自販機」は、
社員2人が2枚の社員証を同時にタッチすると
1本ずつ飲み物が無料でもらえる
という自販機です。
これにより社内のコミュニケーションを促しているんですね。
名称も商標登録されています。

同じサントリーが出している「DAKARA給水所」は、
専用カードをタッチすることで、
会社指定の商品だけを引き換えで入手できるようにすることで、
社員の飲料購入履歴を一元管理できます。
目的は糖分の過剰摂取リスクを管理するため。
こちらも名称は商標登録済みです。

これらは法人需要を取り込むために工夫した事例ですね。

さらに、免許証とクレジットカードがあれば、
ふるさと納税ができてしまう自販機もあります。

このように、自販機で扱う商品や、
自販機を用いたサービスを差別化することで、
多様な需要に応えているのですね。

自販機のスペースを別の用途に活かす

また、自販機を撤去した跡地に、
新たに自販機を設置するのではなく、
全く別の用途のサービスを始める人もいるようです。

例えば、「バイク駐車場」です。
今は「バイクブーム」だそうで、
2022年の251cc以上の二輪車の出荷台数は
前年比23.1%増の71,606台で、
6万台を超えたのは、1998年以来24年ぶりとのこと。
キャンプブームも相まって、
趣味にバイクを結びつけて移動手段に用いる人が増えたようです。

そうすると、必然的にバイク置き場が必要となりますが、
自販機2台分ぐらいのスペースあれば、
1台バイクがおける
ということで、
自販機の跡地として活用を検討する人がいるんですね。
バイク駐車場でなくても、看板を設置することなどもできるでしょう。

このように、業界全体が下火であっても、
なんとか工夫して新しい企画で注目を集めたり、
増えている需要に着目して、新しい業態にチャレンジしたりできれば、
悲観ばかりではないと言えますね。

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