※2021年2月16日配信メルマガVol.111より抜粋(一部加筆修正あり)
中小企業の価格競争は長期で不利になる
士業の世界で多く見られるのが、
「価格を安くして、多くの顧客を獲得する」
という戦略です。
弁理士の商標の世界は、ご存知の通り低価格化の激しい世界。
それほど規模も大きくないのに、
「商標登録9,800円」や、
「出願手数料0円」など、
価格のインパクトで目を惹いて申込させる例が後を絶ちません。
今やAIで商標出願すると謳うサービスも出てきています。
(これらの低価格サービスの中身についてはあえて今回は触れませんが…)
中小企業でも、”安さ”を売りにする会社は少なからずあると思います。
しかし中小企業が安売りに走ってしまうと、
長期的な目線ではかなり不利な戦いを強いられてしまうんですね。
なぜかというと、最終的に価格競争で勝つのは、
資本力をフルに使って、スケールメリットを生かせる1社のみだからです。
経営資源で劣る中小企業に、果たして勝ち目があると言えるでしょうか?
大手の低価格戦略は競合排除が目的
また、大手の低価格戦略は、
市場を取っていった後の値上げのための施策の1つですから、
同じようなことができるわけがないのです。
まさにAmazonがその例ですよね。
巨大な物流センターで在庫を一元管理し、
コストを圧縮した上で、低価格化&送料無料で小売市場を席巻しました。
その結果、小さな小売店やECサイトは撤退を余儀なくされたのです。
圧倒的な”低利益率”が競合を排除し、また参入障壁にもなりました。
ユニクロも同様です。
低価格衣料ブランドの代名詞的存在だったはずが、
いつの間にかヒートテックなどの機能性衣料を高く売っています。
“冬に着る暖かい下着=ヒートテック”
という認識になっているから、
たとえ数十円の値上げでも、疑問を持たずに買います。
顧客1人当たりの利益の上げ幅はわずかでも、
みんなが買うから、全体としては巨大な利益になります。
そのことに気づかずに、今日も多くの人がユニクロで買い物をしているわけです。
中小企業は高付加価値路線へ
とすると、中小企業の取るべき道は、
「価格を上げ、価値を高めること」だと言えます。
また、「値段が安いから買いました」
と言われるよりも、
「値段が高いけど、価値があると思ったから買いました」
と言われた方が嬉しいものです。
「価値がある」と思ってもらうには、どうしたらいいでしょうか?
それは、「価値ある情報を付け足すこと」です。
例えば、市場に出回っているリンゴは、
葉っぱの陰で色づきが悪くなるのを防ぐため、
葉っぱがついていません。
その一方で、葉っぱがついているリンゴを売りたい場合、
葉っぱがついていることにより、
価値があるという情報を付け足すのです。
「葉っぱがついていることにより、光合成量が増え、
そのため糖度が増して美味しいリンゴです」
このような説明書きがついていたらどうでしょう?
美味しそうだなと思いませんか?
きちんと説明すれば、高い値段でも売れるでしょう。
このように、いかに価値があるかを説明することで、
高く売ることは可能なのです。
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